南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

グアムは南東へ潜れ

今月はグアムからである。9月の終わりまでグアムの店を手伝うことになった。手伝うと言うのは表向きで、本音は以前からの画策していた「グアム島のポイントでない変なところ潜る計画」を実行するためだ。

2001年にDayDreamのグアム店が出来たことをきっかけにここの海に潜る機会が増えた。まあ正直、当時はグアムの海なんて正直あまり面白そうな海だとは思っていなかった。過去にファンダイバーとして潜りに訪れたときの記憶もあり、先入観や思い込みもそれを助長させていたのかも知れない。完全な食わず嫌いだった。でもガイドの立場として潜ってみると、それは大きな誤解だったことに気がついた。このグアムでのショックはその後の僕の海に対する考え方を大きく変えた。当時の驚きはこの豪海でも書いている。気が向いたら参照してみてほしい。

2004年の夏、ウチのオーナーの下田がビザの更新で日本に帰国することになって、お留守番を頼まれた。こんなチャンスは滅多にないと思って、2つ返事で引き受けた。理由は簡単。パラオのガイドである僕がグアムの海を潜りこめる機会なんてなかなか無かったからだ。当時、実際に潜ってみて思ったことは、この海はもっといろいろな遊び方や潜れる場所があるのではないか?ということだった。いろいろな可能性を考えながら日々の仕事をしていた。いつか探してみたいと思っていた。

それから2年。その企みが突然実現しそうな話が来た。2ヶ月滞在。その期間に前から試してみたいと思っていた島の南側と東側を潜りにいくことにした。今はただ潜れそうなビーチポイントを片っ端から潜っている段階で、調査ダイブといったところだ。面白いところも何箇所か見つかった。水路、潮溜まり、入り江、私有地のビーチなどなど。車を走らせながら「お、ここ面白そう。潜ってみる?」という感じでダイビングポイントが決定される。場所によってはタンクなんて使わない。フィンも使わない。これって本当にダイビングなのか?と思うようなのもある。でも、そんなのがいい。そんなのが面白いのだ。

もちろん、いい所があればひどいところもあった。河口なんて嵐の後は赤土が流れて視界ゼロ。台風が抜けて静かになった3日経った後でも駄目。水底には流れてきた赤土が溜まって生き物なんてまったく見つからない。でも、こういう汽水域の環境はきっと何かいるんじゃないかなぁ、と思うので近いうちにリベンジに行きたいと思っている。

ビーチだけじゃなくて、ボートを使って外洋も潜ってみたい。日本マーケットに浸透してないだけで、南部、東部にもボートポイントはいろいろあるらしい。試してみたいことはまだまだある。滞在に制限が付いているので時間が足りないのがもどかしい。

それにしてもグアムという島は、北西のタモンエリアだけが物凄く観光地化され、その分その他のエリアはあまり意識されていないというか、眼中無いというか、とにかくタモンからちょっと離れるといい感じのミクロネシアの田舎町が広がっているのである。ここの辺りが僕の狙いめで、こっちのエリアに本当のグアムという島の魅力を感じる。

これから後1ヶ月、あと何回南側、東側に潜りにいけるか分からないけど、1日でも多く時間を作って行きたいと思っている。何か新しいグアムでのサプライズを求めて。


秋野
秋野 大

1970年10月22日生まれ
伊豆大島出身

カメラ好きで写真を撮るのはもっと好き。でもその写真を整理するのは大キライ。「データ」が大好物でいろんなコトをすぐに分析したがる「分析フェチ」。ブダイ以外の魚はだいたいイケルが、とりわけ3cm以下の魚には激しい興奮を示し、外洋性一発系の魚に果てしないロマンを感じるらしい。日本酒より焼酎。肉より魚。果物は嫌い。苦手なのは甘い物。

ミクロネシア・パラオ

DayDream PALAU

P.O.Box 10046 Koror Palau
96940
Tel:680-488-3551
Fax:680-488-2199

www.daydream.to/palau
akino@daydream.to