南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

明けましておめでとうございます

すっかり豪海の1月号はアップされているのに元旦になってから、今必死で原稿を書いている。クリスマスのころから「書かなきゃ、書かなきゃ」と思っていたのだが、とにかくこの年末、PCに向かう時間が取れなくて結局年を越えてしまった。

子供の頃、年の瀬になると親が「年末だから忙しい」と言っていたのを覚えている。当時は(年末だからって何が忙しいのだろう?大して忙しそうにも見えないのに)と思っていた。しかし、いざ自分がその歳になってみると理由がだんだん分かってきた。気持ち的に忙しいのだ。「今年も終わってしまうから年内にやり残したことを片付けてしまおう」などと年の瀬になって一年の帳尻を一気に無理やり合わせようとするから、あれもこれもやらなきゃ、となって自分で忙しくしているのだ。こういう計画性の無い人の結果を世間では自業自得と言う。今になって考えてみると親が既にそういう性格だった訳で、そのDNAをしっかり引き継いでいるらしい僕は今更どうのこうのと騒いだところで変わらないだろう、ということで納得している。しかし「追い込まれないと出来ないのは性分」とそれで終わりにせず、今年は計画的年末を迎えられるように努力することを、元旦の今日、強く正しく思うのであった。

と、そんな事を書きたかった訳ではなくて。今日、1月1日元旦。ウチのガイドのソアイがジンベエザメを見たそうだ。お昼前にブルーコーナーにエントリーしたら5mほどの子供のジンベエザメがコーナーの棚の上をしばらくグルグル回っていたそうな。ちなみにソアイは昨年9月1日、自分の誕生日にもジンベエザメを見ているのだ。この時、僕は彼の3分後にエントリーしたチームで見逃している。今日僕はその時間ブルーコーナーには居なかった。実は8年パラオにいても僕はまだ一度もジンベエに会ったことがない。でもソアイはこの4ヶ月で既に2回。物凄い運だ。学生の時に自分は彼女が出来ないのに、半年くらいの間にキレイな彼女を2人くらい簡単に作っちゃう友達がいた。全く関係ないが何故かそいつを思い出した。ソアイの奴め、一人でそんなに見てひどいヤツだ。

数百本も経験本数があって、パラオも何度も来ているリピーターゲスト達が毎回リクエストに書く呪文のようなリクエスト、「カジキ」と「ジンベエ」。でも、未だ目的達成されずに通い続けている人もいる。そうかと思うと10本そこそこでパラオに来て、「きゃ〜、中世浮力できませ〜ん」「きゃぁ〜、流れ速いの怖いですぅ」とか言っている人がいきなり安全停止中に7本のマカジキ見ちゃったり、いきなり元旦からジンベエ見ちゃったりする。もともと、こういった運というのはどうしたものか。運というのは努力に比例されなくてはならないのではありませんか?神様。と、本気で問いかけたくなる気持ちも分かって欲しいものだ。

でも待てよ、いつもいつも見たい物が簡単に見られたら面白く無い。そこには「見られるかもしれない」、「見られないかもしれない」そういった夢というか浪漫があるからこそ海は面白く、また興味が尽きないのではないか。見たい物が100%見られるなら、きっと人はここまで海にこだわらないだろうし、ここまで面白く感じないだろう。行けばそこには見た魚が100%居る。それはそれで良いけど、すぐに飽きられるだろう。100%でないから、見たいのに、でも中々見られないから面白い。だから本当に見ることが出来た時の感動は体の底から来る物凄いものなのだ。

「運」なのかもしれない。でもその運を少しでも高めるために努力するガイドと、その運を信じて今なお海に通い続けるダイバー達。海と本気で遊ぶ大人達の「夢」がそこにあるような気がしてならない。まんざらでも無いと思う。「見られる運」がある人よりも「見ない運」がある人。そう、いつか感動的な出会い方をするために今は会わない。僕はそう信じている。負け惜しみかなぁ。

今年も皆さんにとって良い1年になりますように。


秋野
秋野 大

1970年10月22日生まれ
伊豆大島出身

カメラ好きで写真を撮るのはもっと好き。でもその写真を整理するのは大キライ。「データ」が大好物でいろんなコトをすぐに分析したがる「分析フェチ」。ブダイ以外の魚はだいたいイケルが、とりわけ3cm以下の魚には激しい興奮を示し、外洋性一発系の魚に果てしないロマンを感じるらしい。日本酒より焼酎。肉より魚。果物は嫌い。苦手なのは甘い物。

ミクロネシア・パラオ

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