今回も先月の話題の続き。
「意外性」ってやつ。

僕は一昨年まで八丈島のレグルスダイビングでガイドとしての修行を積んでいた。このお店はレアモノや人気種を次々と見つけ出し、マクロに強いお店などという印象を持っている方が多くいるようだが、実際はどこよりも普通にいる魚に強く、普段のスタッフ間での話題も普通種に関するものがほとんどだった。そしていつの間にかゲストも巻き込んで、いろいろな普通種が店内限定のブームとなっていく。

美しい緑色のサンゴをバックに持つミナミギンポがブームになった事があった。しばらくはどのスタッフもガイドネタとして使い、休日には自らこのミナミギンポの撮影に燃えた時期があった。この時期に来店したゲストの間では、このミナミギンポは超有名人だ。（笑）僕も当時、購入したばかりのD100を片手にこのミナミギンポの元に通った。

穴から顔を出すミナミギンポはとても可愛いので、どのダイバーも1回はこの魚にカメラを向けた事があるのではなかろうか。。。？　この魚は普段、活発に泳ぎまわり他の魚のウロコやヒレをかじって食べる肉食性の魚なのだが、穴の中から顔を出す彼を見ているとそんなどう猛な性質を持つことなど想像もできない。

でもある時、僕は見てしまった。。。！
一瞬だけ垣間見せた、やつの可愛さの裏に隠された鋭い牙を！！
次の瞬間には元の可愛いミナミギンポに戻ってしまったけど。

普通に見られる魚の中にもまだまだいくらでも驚きは隠されている。こうした驚きがある限り、普通種ウォッチングは止められない。。。