ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

第四話 案内(ガイド)の意味を考える(中編)

予定調和のダイビングも、ルーティンワークの一環として必要ですが、個性や博打性に富んだガイドを受けた時、ゲストの感動は今までに経験したことの無いレベルにまで達するものだと考えます。

もちろん、ガイドとゲストの相性や双方のバイオリズム、天候、海況、潮汐など、揃わなければならないファクターはあります。この要素が複雑に絡み合い、奇跡的に合致することが年に何度か、あるいは何年に1度あります。それは、もう常識では考えられない魚種・生物の出現や、まるでこうなることが予定されていたかの様なクライマックスを迎えます。

現実は小説よりも奇なり、どんなに想像を豊かにしても、この幸せな結末には到底辿り付けない様なハッピーな結果が待っていることがあります。もちろん、そのハッピーの物差しは、様々な状況で変化していますので、誰にでも当てはまる訳ではありませんが、少なくてもその時に居合わせたゲストとガイドの関係においては、今までの人生において最良のものになっている事があるのです。

それは、何の努力も伴わなく訪れる場合もありますし、無理やり捻り出すケースもあります。前者の場合は、ゲストの運によって導かれ、後者の場合は、ガイドの全知全能全霊を投入して成り立ちます。できれば、後者は...

ご遠慮願いたいのですが、自身のレベルの維持や単なる意地でやってしまう事もあります。(笑)きっと、この文章を読んで笑ってるガイドや微笑を浮かべているゲストがいることを想像しながら、自分のベストガイドを反芻しています。

画像は、泥ハゼの中でも超難度のアカハゼです。これをゲストに紹介できた時の快感と言ったら、他に何を比較できるのだろう!?というくらいに最上級のものでした。

そして、極めつけのヒゲハゼを見せた時、あぁ僕のガイドの真骨頂ここに極めたりと思いました。しかし、それは単なる思い過ごしであったと、その年の年末に感じた出来事があり、ガイド極まる事無し!と自分に言い聞かせました。


鉄
鉄 多加志

1965年生まれ
清水出身

生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。

通称「視界不良の魔術師」
静岡・三保

ダイバーズ・プロ
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