ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

第九話 視界不良の大物?

実は、前回のバリからそのまま同じインドネシアのスンバワ島へ向かった。知り合いが、この島にリゾートをつくりたいから、ダイビングポイントのリサーチをしてくれないか?と頼まれたからであった。デンパサールの空港からロンボクを経由して入るのだが曜日の都合があり、思うように行けないのがたまにキズなのだが、あまりダイバーが入っていないポイントが大半を占めるため、非常に楽しめちゃいました。綺麗なポイントのお話をしたいのは山々なのですが、それはまた別の機会(与えてもらえるか?心配!)にすることにして、ひたすらドロドロのポイントのお話を・・・。

ここの場合は、マッドポイントに入りたくて入った訳ではなく、沈没船の捜索をしていて、たまたまそこがマッディーだったと言う結果論である事を先に言い訳しておきます。(苦笑)どこに行っても、そんな状態のポイントに好んで潜っていると思われてしまうので、弁解させていただきました。(^^ゞそのポイントはタンジュンムナギシ(ムナギシ岬)とモヨ島の間の湾奥になるのですが、漁師の網が引っ掛かるので多分沈船があるのだろう?と言う、ほぼウワサ話だけで捜しにいったのです。

場所もいい加減だし、水深も適当・・・。本当に見つかるのかいな?と言う状態でのエントリー。しかも透視度わる〜っ!地形を見て、船が座礁沈没するイメージを描きながら潜ったのですが、全然見つかりません。諦めかけて戻る際に、エントリーした逆サイドの方向にもエアーの続く限り大胆に中層を流してきたら、マストのような形のものが・・・。「あった!」浮上してボートを呼び、ブイでマーキング。タンクを交換して直ぐにまた潜降。プロペラがあるボトム側の水深は27mで、その向こうにはフラッグテールダートゴビーがパラパラと泳いでいた。ニュウドウやカスリハゼなんかもいたので、多分もう少し行けばリボンゴビーもいたかも知れませんね?しかし、ダイブコンピュータがウルトラマンのカラータイマーのように鳴り響き、そこでのリサーチは終了となった。

周辺にはジープらしき車やドラム缶も見られ、資料を調べてみたら、どうもイギリス船らしいと言うことまでが分かった。このポイントは、透明度が良くない!ということでボツになり、私の沈船発見はドロにまみれて「お蔵」となった。マッドポイントにおける最大の大物!だったのにね?

☆☆☆☆& (^-^)(^-^)(^-^)(^-^)


鉄
鉄 多加志

1965年生まれ
清水出身

生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。

通称「視界不良の魔術師」
静岡・三保

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