マッドな情熱 豪海倶楽部  

第二章 僕のホーム

よくある質問ですが「危なくないんですか?」、「初心者でも大丈夫ですか?」これに近い様々な質問が寄せられる。

今まで散々「透明度が悪い」、「濁っている」と言い続けたシッペ返しなんだろう。だいたい近隣にある20軒ほどあるダイビングショップの内、レギュラーで三保を使っているショップは僕のとこを含めて、たったの3店だけ。これって、どれだけ三保のイメージが悪いか?を、よく表わしていると思います(苦笑)。その責任の一端は僕であり、景観のせいもあるのだろう。エントリー場所の正面には冬の間、富士山が悠々と聳え訪れるダイバーの気持ちを安楽かにしてくれる。そして古くから育まれた防風・防砂として三保の松原が、海へ入るダイバーの背中を「そっ」と後押ししてくれる。右手方向には伊豆半島が見渡せて、ちょっとした広重ミュージアムの様相である。

ところが、左を向くとコンテナ埠頭、コンテナクレーン、コンビナート、煙突、チップ埠頭...往来する大型船。県外から来る観光客やダイバーよりも、ジモティ(地元民)がここで潜れるのか?と目を疑う光景なのである。もちろん、地元の常連さんも数多くいるのだが、大半の人が正直に「三保で講習をやるって聞いてビビった!」と言います。

前回、海が綺麗じゃない!と言う認識の話をしましたが、三保は同じ意味において「潜れない」あるいは、「潜ってもツマらない」と認識をもたれているようです。しかし、一旦講習が始まってしまうと魚や生物の多さに講習生を始め、ショップに引率されてきたダイバーは驚きます。「こんなに魚がいるんですね?嬉しくなっちゃう!」いないと思っていた場所で沢山の生物に出会えた、と言う過大評価も含まれているに違いないが、誰しも思わぬ誤算↑は嬉しい。

生物の種類は違えど、これはガイドやセルフで三保に訪れるゲストの方にも同じ事が言えるのです。流石にカメラを持って現れる人は、情報の収集に関して秀でているが、プラスアルファーの生物に囲まれて至福の時を過ごす事が少なくない。たまたま、ある程度の透視度に恵まれた人は、必ずと言って良いほどリターンしてくる。スノーケリングを勧めることは出来ないが、体験ダイビングに始まる「超!エントリーレベル」から熟練の「撮影派」及びカメラマン、研究者を唸らせる三保の海は、認識さえ持てれば笑顔の絶えない海だと思う。メジャーシーンに君臨するダイブサイトとの大きな差は、この「認識」に他ならない。


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鉄
鉄 多加志

1965年生まれ
清水出身

生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。

通称「視界不良の魔術師」
静岡・三保

ダイバーズ・プロ
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