まだまだ知名度が高くないシャム湾・タオ島だが、紹介されるときは、"一風変わった海"という表現がよく使われる。

巨大な内湾性の閉鎖海域で、生態系がとても偏っていて、他の海で普通に見られる魚種が全くいなかったり、逆に、他ではレアものとされる種が群れていたりする。

それは魚だけじゃなく、サンゴの種類も一風変わっていて、他の海ではあまり見かけない種が群生し、いかにもタオ島らしい海中風景を作っている。

以前、この豪海倶楽部（08年12月号や09年4月号）でもインド洋側のアンダマン海のサンゴの写真を紹介したが、太平洋側のシャム湾の海は、同じタイの海でも全くイメージの違う雰囲気をかもし出していて、アンダマン海のサンゴを、お花見のイメージにたとえたが、タオ島は、鬱蒼と茂る深い森の中で森林浴をしているイメージかな！?誰かが、風の谷のナウシカの樹海みたいと言っていた。

これは弦楽器の竪琴みたいな形をしているのでハープコーラルと呼ばれている。赤は水中で真っ先に吸収される色なので、肉眼では地味な色に見えるが、ストロボ光を当ててやるとごらんの通り、見事な色彩で海中を彩っているのだ。

こんなサンゴに絡めて魚を撮ると、タオ島ならではの写真となる。

カオラックのシーズンを間近に控え、引っ越しまであと3週間を残すのみ。

今のうちにタオ島で潜り倒しておかなければ！