潜るコピーライターのアンダーウオーターズポエム 豪海倶楽部  

あくなく
まるめる

最近、粘土細工を始めてみた。

粘土細工なんて、手がねちゃねちゃするし、せっかく完成しても色塗りで失敗したら落ち込みは激しいし、実はすごく嫌いだった。けど、ある夜、お布団の中のごく思いつきで、水恋のカエルを立体で作ってみようと思い立ったのだ。思い立ったらB型のJUN-Pは、翌朝さっそくに粘土を買いに走り、こにこにと作り始めたのだ。が。これが又うまいこと出来ん!やっぱし、ねちゃねちゃしてイライラするのだ。普段のJUN-Pなら、ここで敢えなく断念するところだが、モチーフが我が愛する水恋ガエルなので、どうしても可愛らしく完成させたい!

悪いのはこの粘土だ!きっとそうだ!そうにちがいない。

もっとほかに扱いやすい粘土があるはずだ!そう考えたJUN-Pは、その日のうちにいろいろググって、手にくっつかない、ふかふかの粘土というのを見つけた。サイトにUPしてある粘土細工は、どれもとても可愛らしい。ふむふむきっと扱いやすいからだろう。それならJUN-Pはもっと可愛らしいものを作れるはずだぞ!思いつめたらB型のJUN-Pは、翌朝10:00の開店ももどかしく、さっそくにふかふかの粘土を購入し、こにこにと作り始めた。ら。これがもう扱いやすくてウッキウキ!やっぱり悪いのは昨日の粘土だったのだ。

新しく買ったこの種の粘土は、白とCMYK各色そろっていて、制作前に希望の色に混色しておける。そのパーツを組み合わせて作るので、仕上げの色塗りが必要ないのも嬉しい。まず、大好きな淡い黄色を作って丸めてみた。。

きゃぁ、丸めただけで既に可愛い。大きさは小指の頭くらいかな?こいつは目玉をつけてヒヨコにしよう。次々に丸めた。目玉やくちばし、そして翼。丸の組み合わせで素晴らしく可愛らしく仕上がってゆく。やばい、どうしよう、楽しくてしょうがない。。

いろんな色を丸めて、ちょっとつぶしたり、模様をいれたりで際限なく可愛いもの達ができてゆくのだ。群生ヒヨコ、ミカンきのこ、桜ペンギン、流氷ペンギン、叫びタコ、タコつぼ。これはちょっとしたホリックやね。

とはいえ、単にホリックに陥っているだけのJUN-Pではない。

自身に起こったこのホリック現象を客観的に見つめるクールな目を持っている(つもりの)JUN-Pは、作品群を前に、ここ数週間の自分の作業を思い返してみることにした。。

う〜ん。日々すがら、ひねもすひたすら丸め続けているJUN-Pの姿が見える。作品(そんなたいそうなもんか?)の基本は球体。目も口も、手足も丸だ。そうかキーポイントは“丸”。○なのだ!丸だからJUN-Pはあきもせずに作っているのだ。

そういえば数年前、この豪海倶楽部に“丸”について書いた事がある。TOPページのバックナンバーから入って“Roughのさん”という話(興味のある方は読み返してみて下さい)。。

おいおい、丸について書いてるのってそこだけか?いまさら“丸”にこだわるでなく、Roughの主人公・丸のすけからして、いっつも丸ばっかりやん!と、つっこんでくれる人が誰かいてくれるかもしれない。そうやなぁ、、。半年くらい前にデリートしちゃったけど、十数年前につくった“繋珠庵”てなHPにも、丸がどうしたこうしたとか、球体がどうのこうのとか、そんな事ばっかし書いてたような気がする。

繋珠庵のきっかけは“泡”だった。目の前でキラめいては消えてゆく泡は、確かにそこに在ったはずの想い。その神秘性、はかなさ、美しさ。。それをなんとか自分なりに表現したかったのだ。

客観的に見つめるもなにも、十数年前ダイビングを始めて以来、泡に出会った時から、自分は“泡ホリック”に陥っていたのだった。

泡は生命の欠片であり、“丸”であり“時”である。
JUN-Pの中では、時も透き通った球体であるのだ。

閉鎖してしまったサイト・繋珠庵だけど、少しリニューアルして再々UPしてみようかな?と、思いはじめている。未練がましい?けっこう、けっこう。だって、そこにはJUN-Pの原点があるのだから。。

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 時を透き通った球体としてとらえるならば
 出会いも別れも始まりであり永遠に続く必然である
 次元のあいだに距離はなく
 すべての現象に隔たりなどあるわけもない。
 ・ちりん・
 ビー玉の回転ドア回して、
 ラムネ瓶のなかにエントリーしてみてほしい
 きっと、アオに繋がっているハズ、かも
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なんてこと、恥ずかしげもなく書いていたけど、いま読むとなんかキュンとする。人は球体をなぞるように、ごく自然に、そして流れるように原点にもどってゆくものなのかもしれない。ダイビングを始めた時の新鮮な気持ちを、ほんの気晴らしで始めた粘土細工が思い出させてくれた。無心でひたすら丸めることが球体をなぞることに繋がり、自然に原点回帰できていたのだ。それがなんかおもしろくも嬉しくも感じる。。。年とったんかなぁ〜。。

作為のない自然というのは必然で、だとしたら偶然もやはり必然で、そんなら因果応報もまた然り?あかん、あかん、粘土の話がついにややこしくなってきた。そうそう、水恋カエルの粘土細工はどうなったの?って?あはっ、脱線中です。クレイアニメにするつもりはなく、ただ、傍に置きたかっただけ、だからもっと上手になったら作りますよ〜。

けど、あくなくまるめる日々。この結末でなんか完結しそうな気配もただよわせつつ。。。fade。

それにしても、地球って誰が丸めたんやろ〜?考えだしたらきりがない。しかも、なんで丸?四角でもよかったはずやん。ああそうか、そうやんなぁ、JUN-Pだって自然に丸めてるもんなぁ。いや、けど、なんで……。あ、わかった!終わりたくないから?ちゃう?かな?わからん。けど、まぁいいか。今夜のおかずはハンバーグをつくろう。


仲
JUN-P(仲 純子)

大阪在住ファンダイバー
職業:コピーライターとか

1994年サイパンでOWのライセンスを取得。

宝物はログブック。頁を開くたび、虹のような光線がでるくらいにキラキラがつまっています。

海に潜って感じたこと、海で出会った人達からもらった想いを、自分のなりの色や言葉で表現して、みんなにも伝えたいなぁ。。。と思っていました。そんな時、友人の紹介で雄輔さんと出会い、豪海倶楽部に参加させていただくことになりました。縁というのは不思議な綾で、ウニャウニャとやっぱりどこかで繋がっているんだなぁ・・って感動しています。どの頁がたった一枚欠けても、今の私じゃないし、まだもっと見えてない糸もあるかもしれない。いままでは、ログブックの中にしまっていたこと・・少しずつだけど、みなさんと共有してゆきたいです。そして新しい頁を、一緒につくってゆけたら嬉しいです。