ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

年に一度のお楽しみ

レグルスでは、毎年冬の閑散期にスタッフが交代で一ヶ月お休みします。一ヶ月も休みをもらえる!と言うと聞こえは良いのですが、要はお暇を出される、ということなのです。収入は減りますが、それでも休みは休み。普段は全く連続した休暇が無いので、旅行に行くのなら、この時が唯一のチャンス。

逆に、この時ばかりは、一ヶ月間旅行してたって構わないわけです。八丈みたいに楽しい海に毎日潜ってるんだったら、何も他の場所へお金かけて潜りに行かなくたって良いじゃない、と言われることもあります。でも、違う場所の海には、まだ見たことのないサカナ達がいっぱいいるんですもん。

ここ数年は、毎年フィリピンへ出かけています。今年は昨年に引き続き、プエルトガレラというところで潜ってきました。そこでガイドをしていらっしゃる方が、たまたま私の古い知り合いだったのです。

大変ハゼの好きな方で、連れて行ってくれるところはドロドロのポイントばっかり。なんで海外へ来てまで、こんなに透明度の悪い海に潜ってるんだろう・・・と、つい自問してしまうのですが、彼の「普通のポイントだったら、他にいくらでもあるでしょ。」の一言に、我慢・我慢。

見せてくれるハゼは名前のないSPばっかり。どんどん指して見せてくれるのですが、「名前を教えて」とジェスチャーを送ると、ただ一言「SP」。一体、それはさっき見たのと同じSPなのか、さっきのとは違うSPなのか・・・??潜る前にかなりしっかりブリーフィングをしてくれて、見られるハゼの特徴なども写真を見ながら説明してくれるのですが、いざハゼを目の前にすると ? で頭が埋め尽くされるんです。

そんな彼の後ろについて行きながら、ふと目に入るハゼ。何かの図鑑で見たような・・・。しかも彼がそれを指さずに無視して通り過ぎてしまうのは、きっとそのハゼには和名があって、珍しいわけでは無いからに違いありません。でも、そんな日本でも見られるようなハゼだとしても、八丈にいないハゼは、私にとっては珍しいんですよね〜。

「フィルムが36枚しか無いのに、そんなの撮っちゃって・・・。」と、後でたしなめられそうなので、こっそり撮ったこの一枚。ヒメクロイトハゼで良いのかな? 沖縄方面にいらっしゃる方からは、わざわざこんなのフィリピンで撮らなくても、って思われるかしら。


水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島

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