ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

瞳の輝く時

つい先日、当ショップの住人に子猫が2匹加わりました。

捨てられていたのを知人が拾い、私達のところへ連れてきてくれたのです。名前はサクとココ。今、生後2ヶ月くらい。ぬいぐるみサイズで「今が一番かわいいよね」と、すっかりゲストのアイドル。まるでオモチャのように、皆にこねくり回されています。2匹はそんな人間達のことはお構いなし、部屋の中を毎日探検し、オモチャのネズミと戦い、ヘトヘトに疲れてうたた寝しているのです。

どんな動物でも、一番かわいい時期ってありますよね。

でも、生まれたばかりって必ずしもかわいいとは思えないんです。人間の赤ちゃんも、生まれたばかりの時って、まだ「人間」という種類の生き物になっていない感じがします。少し時間がたって、人間は人間らしく、猫は猫らしく、本来のその種類になるべく形や毛並みなどの外見が整っていく。そして、まだ単純ではあるけど、その生き物の中に何らかの「感情」が芽生えているのが感じられる。大人とは違って、その湧き出た感情を隠したり誤魔化したりはしない。初めて見る世界の全てに対する好奇心や喜び。 そんな感情がつぶらな瞳いっぱいに輝いてみえる時が一番かわいいなぁと思うんです。

魚の場合、人間の赤ちゃんや子猫のように、じゃれたり遊んだりはしてくれないけど、幼魚の瞳はやっぱり成魚の瞳の何倍も輝いて見える。幼魚の方が、私との出会いさえ楽しんでくれているような気がするのは、こちらの勝手な思い込み? だって、目がきょろきょろっと動いて、絶対今私のことを見てた。その後、ぴょろっと岩陰に隠れてしまったのも、ちょっとした悪戯か隠れんぼ? なんてね。

本当は幼魚の時期ほど他の魚に食べられやすく、危険がいっぱい。こちらの勝手な想像とは正反対で、生まれ落ちた瞬間から始まるサバイバルに緊張感でいっぱいなのかも知れない。瞳の輝きは、好奇心や喜びなんかではなく、これから頑張って生きていくんだ!という強い意志の表れなのかも知れませんね。

でも、やっぱかわいいんだな♪

実は大人になっても、こんな瞳をしている人が私のそばにいます。ガイドして海から帰ってくる度に、「今さ、すごいの見たんだよー! 写真撮りてぇぇ!!」と、ゲストや仕事を放ったらかしにしてスタッフ相手におしゃべりが止まらない。うちの店の親方です。。。子供の時はかわいかったんだろうな・・・。あはっ。


水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

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