期間限定 スペシャルトーク 豪海倶楽部  

エビカニガイドブックインサイドストーリー 第8回

夏本番、毎日厳しい日差しと暑さの中で、海中に憩いを求めて潜る日々を送っています。さて、今回はウミウシカクレエビをテーマに話をしましょう。

ウミウシカクレエビが宿主(住まい)とするのは、名前の由来通りの各種ウミウシやバイカナマコ・ジャノメナマコ・ニセクロナマコなどが多いのですが、ナマコ類を宿主とする方が圧倒的に多いようです。宿主の違いによってカクレエビのカラーバリエーションや模様のバリエーションもあり、それだけでも充分楽しめるのですが、さらに被写体としても観察用としても宿主の生物とカクレエビの色彩関係が楽しめるところが凄いです。

カクレエビ自体は、基本的には「とにかく、誰かに付いていたい!?」という、依存型タイプなので、中にはホラガイをしばらく宿主とし、まるで中学生の不良デビューしたての家出みたいに、玄関先で家に入れてもらえない子供ように貝蓋辺りの住み辛そうなところでうろうろしている子も見かけました(笑)。宿主と共生甲殻類の関係を考える時には、以前から言ってる事ですが、20年前のセキス〜イハウス〜のコマーシャルよろしくの「ゆとりある暮らし」が大前提で、暮らし易い宿主(そのエビの近くにいるナマコ・大きめのウミウシ)は、当然そこに住む為の競争率は激しく、月一回の抽選を経て・・・・って、ないない(笑)、その度に繰り広げられる厳正なる弱肉強食のルールの基での戦いの末、つまりは強い奴が良い家(宿主)に住める訳です。

基本的には、身体の大きな雌が主なのですが、その家(宿主)に入ると言う事は、その雌との「愛の営み」をも行う訳で、その事を考えると非常に微妙な相互関係が生まれ、その事で僕自信が夜も眠れなくなり、母さん、蛍が・・・・(北の国からのジュン君風に、言葉は流れています)!?・・・

閑話休題、真面目に話を戻し、そこで、やっぱり雄同士の争いが起こるのです。戦いは双方の威嚇から始まり、ハサミ脚を使っての格闘が繰り広げられ、敗者にはハサミ脚をもぎ取られる子もいます。あまり体格差があると、戦う前に小さい方が宿主の端っこの方の強いエビの見えないところまで逃げますが、中には気合いの入った子もいて、少々の体格差はものともせず「勝負の花道!」ごときの押し出しで自分のテリトリー(宿主)にしちゃう奴もいます。人生、これ、全て気合い!やる気の問題か〜!?っと感心するばかりです!?

さて、写真の各種ウミウシに乗るカクレエビ君達ですが、なかなか出会えない光景である事は確かです。探し方のコツは、・・・・(コツなどぬぁああいぃ!!この世知辛い世の中、そんなあまい話があるくゎああ!?・・・ハァハァ、冷静に)とにかくねちねち大きめのウミウシを見つけては、その側辺をなぞって見ては探すのですが、ドロップ・オフの壁面にいる奴よりも棚上やドロップ・オフ下の砂地、内湾の根についている奴よりも下の砂地などにいるウミウシの方がウミウシカクレエビが付いてる可能性が高いです。

これはナマコにも言える事です。何故なら、幼生時に浮遊生活を送ってきた彼等は、稚エビとなる頃着定します。そこから宿主となる棲家を探すかダイレクトに宿主に付くかなのですが(多分後者の方が多い)、着定するのは、斜めの壁面などより地べたの方が断然落ち着くのは決まっているし、やっぱ、人間も含めて生物は、大地に足がついてないとと言う自分勝手な思い込みが僕の心の理だからです。エッヘン(笑)!?でも、何かそんな気しません?聞いても解らない事だから、想像して考えてみるしかないのです。それが実際の水中世界を垣間見る事が出来る僕等ダイバーに許された素敵な思考だと思うのです。

まあ、とにかく飽くなき不屈の精神で日々とにかくねちねち探していると色んなウミウシを棲家(宿主)としている彼等にきっと出会えますよ〜!?

追伸・くどい読み辛い文章でごめんなさい。


川本
川本 剛志

1965年4月3日生まれ
福岡県出身

久米島でダイビングサービスを営むかたわら、ライフワークである、冬に訪れるザトウクジラや各種の魚類、サンゴ、ウミウシ、甲殻類の生態を写真に収め続けている。多数の図鑑雑誌に写真を提供し、エビ・カニガイドブック2-沖縄・久米島の海から-等の著作を持つ。

沖縄・久米島

DIVE ESTIVANT

〒901-3108
沖縄県島尻郡久米島町
比嘉160-69
Tel:098-985-7150
Fax:098-985-7151

www7b.biglobe.ne.jp/˜dive-estivant
estivant@mrh.biglobe.ne.jp

エビ・カニガイドブック(2)
沖縄 久米島の海から
エビ・カニガイドブック
Amazon.comから購入!


川本氏へメールで申し込めば、代金先払い&送料着払いで送ってもらえるそうです。サインが欲しければこっちだね!(笑)
BY 編集部