期間限定 スペシャルトーク 豪海倶楽部  

エビ・カニインサイドストーリーから続く海の事色々! 第12回

久米島の北側は豪快なドロップオフのポイントが多く、潮通しも良いポイントが多いので生物も豊富です。特にウーマガイというポイントは西部太平洋の外海に棲息するポピュラーな生物から珍種・稀種と言われる生物がほとんど見られるのではと思うぐらいで、水深がちと(?)深いのが難問な生物もいますが、毎年初夏から秋に掛けて、何か新しい生物が着床棲息していないか楽しみなポイントなのです。

今年は、アケボノハゼの幼魚が多く、ハタタテハゼの沢山の幼魚達の側でよく見られました。ところで、この子達、色彩が違うだけで異母兄弟(?)かと思われるような仲間ですが、実はとってもテリトリー意識が強い子達なのです。

ハタタテハゼは浅場から深場まで広く棲息しているせいか、アケボノハゼが自分の巣穴の側に近づいて来ても我関さず温厚に(?)受け入れるのですが、アケボノハゼはハタタテハゼが少しでも自分の巣穴近辺のテリトリーに近づくと、すぐ追い出そうと攻撃してきます。

その仲間のシコンハタタテハゼなどは西部太平洋では少ない種だからか、その際たるもので、自分のテリトリーには一切その仲間のハタタテハゼやアケボノハゼを近づけさせない気の強い奴なのです。やっぱり魚口密度濃く広く棲息しているハタタテハゼなどとは違い、数が少ない分、他の生物に狙われやすい環境下で厳しく生きてきた彼等はおっとりタイプ(?)のハタタテハゼなどとは比べられない厳しい毎日を送っているのかもしれません!?

写真のハタタテハゼとアケボノハゼのコロニーの場面は、アケボノハゼも幼魚の時期だとまだまだそれほどテリトリー意識が強くなく、ハタタテハゼと混ざる事も多いから起こる場面なのです。やっぱ、魚達も人間と同じように子供の頃はいろんな奴と無邪気に遊べるのかもしれませんね!?人生を積み重ねていくうちに変わっていくのかな〜!?

追伸:
もう一つの写真はハタタテハゼの成魚同士がキス(?)をしていた場面です。口が重なっている場面ではありませんが、この夏、ゲストにこの場面を頑張って撮影してもらっている時に「そう言えば、以前この場面を撮影したよな〜!」と思い出し、ポジを探してみました。

別のハタタテハゼの口や身体周りに付いたプランクトンなどを食べてる場面(?)だと思うのですが、20cmほど離れた二匹が向き合いながらゆっくり近づき口と口を重ねるその場面は、とてもそれだけとは思えない雰囲気があります。暇になったら、今度こそはきっちりその瞬間を押さえてやろう・・・・、そして、アケボノハゼとハタタテハゼのこんな場面も・・・・・!?いや、シコンハタタテハゼとアケボノハゼのキッスも捨て難い・・・・!?などと、上に書いた文章の内容などすっかり忘れて夢膨らませている馬鹿者でした!!


川本
川本 剛志

1965年4月3日生まれ
福岡県出身

久米島でダイビングサービスを営むかたわら、ライフワークである、冬に訪れるザトウクジラや各種の魚類、サンゴ、ウミウシ、甲殻類の生態を写真に収め続けている。多数の図鑑雑誌に写真を提供し、エビ・カニガイドブック2-沖縄・久米島の海から-等の著作を持つ。

沖縄・久米島

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BY 編集部