期間限定 スペシャルトーク 豪海倶楽部  

エビカニガイドブックインサイドストーリー 第1回

皆さん、こんにちは、久米島のダイブエスティバンの川本剛志です。この度、阪急コミュニケーションズから、エビ・カニ(ヤドカリも!?)ガイドブック2-沖縄・久米島の海から-の出版に伴い、この新コーナーを掲載させていただく事になりました。久米島のノーマルな情報は、ガイドのつぶやき・海辺のエッセイのコーナーで、僕も頭が上がらない(笑)、大番頭の塩入が毎月掲載していますので、そこん所も宜しくお願いいたします。

話は戻りますが、ガイドブックには書けなかった(載せてもらえなかった!?)生態系コラムや写真、もっと奥深く掘り下げたかったテーマ、製作中の裏話なども入れながら展開していきたいと思っていますので乞うご期待!?

さて、少し製作過程中のお話をさせてください。まず、図鑑製作を行う際に最も要求されるのが、掲載する種に対する正確性です。写真があって、学名、和名が記載されているものが、「本当に名前の種なの?」ということです。実は今まで出版されている図鑑にも、魚類、甲殻類を問わず間違いはあります。その為、ガイドブックに掲載した種で不確定な種に関しては、(僕らガイドの仕事からすれば本末転倒な話ですが)写真を再度撮影し、その撮影したエビ・カニらを標本として採取して、奥野先生やその他の専門の先生方に同定していただく作業を繰り返しました。

こうでもしないと例えば、ワタクズガニの仲間のように、甲に藻類を付着させて擬態しているものなどは、付着物を取り除かないと、甲の周りのトゲトゲの数を確認したりの種の同定作業が出来ませんし、カクレエビの仲間なども、顕微鏡で眼の周りの棘の有無などの確認作業が出来ません。標本にするということは、今でも残酷な事だと思いますし、気が引ける事もしばしばでしたが、後世の研究は勿論、僕らダイバーが後々混乱しない為にも大事な事ですので、自分に毎回言い聞かせたものでした。

さて、こんな事をやりながらも同定作業中に落ちない(種が同定できない)種が沢山出てくるのです。これはひとつは、未記載種、いわゆる新種の可能性なのですが、それを確定するためには今まで記載されたその仲間の学術論文の洗い直しは勿論の事、他の博物館などにある原記載標本をレンタルし、確認してみなければならず、とても一筋縄でいく作業ではないのです(ここでもやはり、写真同定ではなし得ない標本の重要性が出てくるのですが)。

そして、十脚目甲殻類は、まだまだ未記載のものが多く、いろんな可能性を秘めたテーマなのです。最終的に確実に落ちた種を他の甲殻類図鑑とのかねあいを見ながら240種程度載せたわけですが、皆さんにより良く解ってもらうための写真を撮ることは勿論ですが、後々混乱が起こらないように、確実な同定作業がされた奥野先生を始めとする諸先生達に感謝です。私事で、申し訳ないのですが、書ける時間があまり無くて、この辺で終わりますが、次回からいろいろなテーマに添って、話を詳しく進めていきたいと思いますので、宜しくお願いします。乞うご期待!! ここからは2枚の画像でお楽しみ下さい。


* 写真のホンヤドカリ科の一種は、標本が無かったためにお蔵入りした種達です。綺麗だから、載せたかったんですけど・・・!?


川本
川本 剛志

1965年4月3日生まれ
福岡県出身

久米島でダイビングサービスを営むかたわら、ライフワークである、冬に訪れるザトウクジラや各種の魚類、サンゴ、ウミウシ、甲殻類の生態を写真に収め続けている。多数の図鑑雑誌に写真を提供し、エビ・カニガイドブック2-沖縄・久米島の海から-等の著作を持つ。

沖縄・久米島

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川本氏へメールで申し込めば、代金先払い&送料着払いで送ってもらえるそうです。サインが欲しければこっちだね!(笑)
BY 編集部