南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

大物登場

“大物”と言えば天保の昔から「ジンベエザメ」の事と決まっている。

昨年は例年に比べ、ジンベエとの遭遇率が極端に低かったのだが、去年から今年に掛けての年末年始になんと4日間連続遭遇!!ジンベエザメ・ブームで大盛り上がりしたのだ。はてさて、水中世界で大物と言えば誰しもがまず最初に「ジンベエ」を挙げるであろう・・・。

では、陸上世界で、さらには人間世界で「ジンベエ」に匹敵するほどの大物とは?

人間世界で「大物」と言えば・・・、
アンドレ・ザ・ジャイアント?セーム・シュルト?チェ・ホンマン?

今、挙げた人物たちは事実、有名で、それぞれ様々な世界でチャンピオンだったりもするが、物理的な理由から「大物」とされる部分が多い人たちだ。

次に政治・経済界において「大物」と呼ばれる人たち、さらにはイタリア系マフィアのボス、世界的ヤクザの組長、テロ組織のリーダーなどなど・・・。善悪に関わらず「大物」と呼ばれる人たちを思い浮かべる事は大変容易である。

しかしながら「ジンベエ」に匹敵する・・・となった場合、その“大物具合(?)”の質に若干違いがあるように思われる。

何が違うのかと言うと、今、挙げた人物たちの場合、もしその本人に遭遇した場合相当の緊張を強いられる事となるだろう。しかしながら「ジンベエ」の場合はどうだろう?「ジンベエはサメの仲間だけどおとなしくて人を襲うなんてことは無い!」=「何かとってもフレンドリーっぽい!?」というイメージがあるはず。そんなイメージを万人に抱かせる大物が人間界にはいるだろうか?

以上を踏まえたうえで、オレが導き出した「ジンベエ的大物人物」とはいったい誰か?

その人物は何と日本にいるのだ、そして日本人なら誰しもが「あぁ、あの人ね!」と思うはず。さらにその人物とは大物と言うよりも“ビッグ”とか“グレート”のイメージの方が強い。そう、その人とは日本を代表する大スター「矢沢永吉」氏である!?!?

なぜ「ジンベエ=YAZAWA」なのか?社会的地位や経済的に見ても申し分のない大物であるが、本質はもっと別のところにあるのだ。上で「ジンベエ=フレンドリー説」を説いたが、実際に水中でジンベエに出くわした時、おとなしい優しい生き物であると言う事を知っているにも関わらず誰しもが一瞬ドキッとするはずだ。その辺の雰囲気が「YAZAWA氏」と相通ずる部分なのである。

以前オレはTV・舞台での大道具をしていたことがあり、その時一度だけ「YAZAWA氏」に出会ったことがある。事前に台本を読んでいたオレは、今日の収録に「YAZAWA氏」が来ることを知っていた。しかし、さほどファンではなかったオレとしては大物スターであることは認めていたうえで「おぉ、スゲーじゃん!」程度しか思っていなかった。おそらく本格的なファンではない人たちならば、大体の人が「普段はいたって“普通のおじさん”なんだろう」というイメージを持っているはず、かくいうオレもそうだった。で、スタジオの控え室で後姿を見たとき、やはりそのイメージそのものであった・・・。

ところが、コチラを振り返った瞬間、眼が合った瞬間、全身は硬直し何も考えられない状態になり、ただただ「お、お、おはようございます!」とドモリながら挨拶することしか出来なくなってしまったのだ。つまり、一瞬にしてYAZAWA氏が発するオーラによってオレは支配されてしまったのだ。さらに凄いのは、その直後何故か理由もなく突然に「オレ、ファンです!!」と言ってYAZAWA氏に向かって走り出したい衝動に駆られたのである。ファンじゃなかったのにも関わらず・・・。

いくら「オレは大物には興味ない!」と言っている人でも、撮影出来る・出来ないに関わらず、ダイビング終了後「いや〜、ジンベエに出会えて良かったですね〜!」と声をかけると「ハイ」と笑顔で答えるだろう。この辺が「ジンベエ=YAZAWA説」を特に裏付ける根拠である。

さらにもう一言付け加えるならば、ジンベエに出会ったとき、誰もがこう思うはずだ。

「じ〜かんよ〜〜〜止まれ〜〜〜♪」

ところで、こんなこと考えながら魚と付き合ってるのってオレだけ・・・?
ということでまた来月。


五十嵐
五十嵐“Garuda”一規

1968年11月29日生まれ
横浜市出身
射手座 申年 RH+O型

バンドマン、大道具、そしてダイバーへと転身した変わり種。昆虫・プロレス・甘い物が大好きな現役ハードコア・パンクスだが、バーボン片手にロックを聞きながら毎夜繰り広げられる魚談義はいたってマジメとの噂・・・。秘密結社「赤い魚団」代表。

フィリピン・セブ島 リロアン

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