南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

ラルフ&フローリアン

「ラルフ&フローリアン」とは何か?誰か?

実はその手の関係の人間にとっては“神”にも匹敵する人物たちで「KRAFTWERK(英語ではKRAFTWORK)」の核であり「電子音楽の開祖」、「テクノ・ミュージックの創始者」で、「テクノカット(死語)のオリジナル!?」でもある。電子音楽の原型を作ったカール・ハインツ・シュトックハウゼン氏やウォルター(現ウェンディー)・カーロス氏(女史)なども“元祖”であり“神”と崇められて当然なのだが、コチラはいささか有史以前の原始宗教における原始神と言うべきか・・・。やはり、電子音楽を一般的に広めた功績を考えると「KRAFTWERK」つまり「ラルフ&フローリアン」こそが「電子音楽の開祖」であり「創始者」であり、“神”なのであると確信している。そういうオレは当然の如く「超テクノ・フリーク」であり「KRAFTWERKの子供」なのである。

だから何なのか?と言うと・・・

先日の深夜、彼らのコンサートDVDを大きめの液晶モニターの前で瞳孔を開ききったかのような状態&ヘッドフォーンにて大音響で鑑賞していた。そのデジタリックな映像と音響たるや“合法ドラッグ”とも言える様な効果をいかんなく発揮し、危うく超電子的幻想世界から帰って来る事が不可能なのではないかと覚悟を決めそうになる程であった。

で、何なのっ!?

その次の日ガイドをしていると、マンジュウイシモチの幼魚たちに出会った。その独特な体色模様はまだまだ不完全で半身がほとんどスッケスケの透明、そんな幼魚たちが数匹から十数匹でテーブル珊瑚の上に群れていたのである。その様子はこんなオレですら「うひゃ〜何てカワイイんだろう・・・」と息を呑み、しばし感動に浸ってしまったほどである。そしてこの光景をカメラに収めたいとレンズを向けて待ち構えていると、その中のやや大きめの個体2匹に目が留まった。そして次の瞬間、頭の中にこう過ぎった。

「コイツらっ、ラルフ&フローリアンじゃん!?」と・・・。

何だそりゃ??

と皆さん思うだろう。もしくは「はいはい、あなたの文章はいつもそうだよね・・・」と思われているかもしれないが・・・。とにもかくにも、オレはそう思ってしまったのである。それは何故かと言うと、マンジュウイシモチという魚は慌てない。動く(泳ぐ)にしてもヒレを使っているように見えないほど静かに移動する。また、カメラを向けたとたんにスゥーっとお尻をコチラ側にし、そっぽを向いてしまう。その様な行動がオレを「ラルフ&フローリアンじゃん!」と思わせた理由なのだ。

だから何故そうなの???

「ラルフ&フローリアン」つまり「KRAFTWERK」の核をなすこの2人、実はコンサート中ほとんど動かない。ステージがいくら最高潮に盛り上がろうが・・・、観客全員がテクノ・リズムに身を委ね巨大な“ノリ”の渦となろうが・・・、絶対動かないし、ノラない。それどころか周囲を全く気にせず、淡々と演奏を続けて行く。そのさまはまるで“演奏”というよりも“コンピューター、または精巧な機械を操作する”といった感じである。その「無機質さ」や「無機的な」といった感覚こそ、彼らのパフォーマンスの醍醐味でもあるのだが・・・。

つまり、マンジュウイシモチの動きに「KRAFTWERK」の“無機的感・無機質感”を感じてしまったからなのである。さらに、その“無機的感・無機質感”を2匹のマンジュウイシモチが演じてしまったからしょうがない、「ラルフ&フローリアンだっ!」と感じてしまったのは当然のことだったのである。

補足として「ラルフ&フローリアン」の一人ラルフ・ヒュッター氏は異常なまでのマスコミ嫌いで、インタビューに自分の顔と同じデザインのロボットを座らせて済ませる程である。こんなところもスグにそっぽを向いてしまうマンジュウイシモチに通ずるモノがあるのだろう・・・(と、とんでもない“こじつけ”だね)。

後日談として、そんな思いで撮影したこのマンジュウイシモチの若魚2匹だが・・・。帰って確認してみると“無機的感・無機質感”を表現するどころか、非常に優しくて温かみを感じるようなカットに仕上がっていたのには驚いた!!!ま、そんなもんか・・・。「それはそれでいいや!作品にしちゃお〜っと」だって。チャンチャン♪

ところで、こんなこと考えながら魚と付き合ってるのってオレだけ・・・?ということでまた来月。


五十嵐
五十嵐“Garuda”一規

1968年11月29日生まれ
横浜市出身
射手座 申年 RH+O型

バンドマン、大道具、そしてダイバーへと転身した変わり種。昆虫・プロレス・甘い物が大好きな現役ハードコア・パンクスだが、バーボン片手にロックを聞きながら毎夜繰り広げられる魚談義はいたってマジメとの噂・・・。秘密結社「赤い魚団」代表。

フィリピン・セブ島 リロアン

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