ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

ヘビギンポ偏愛(9)

[深場にもヘビギンポはいるのだ]

ヘビギンポの仲間は基本的に-5mよりも浅い水深でその多くが見られる浅場の魚だ。 クロマスククサギンポなんかは、水面直下の-50cm以浅がその生活領域だったりする。このようにヘビギンポというと浅場の魚であるようなイメージが強いかもしれないが、実はある程度水深のあるような場所でも、少ないけどヘビギンポの仲間は見られる。

ちなみに-30m以深にもしっかりヘビギンポの仲間は生息する。中には奇抜な背ビレを持つヘビギンポもいるから驚きだ。わざわざ深場に行ってまでヘビギンポの仲間を探そうとする人はいないだろうから、なかなか気づかないかもしれないけど。。。

【セグロヘビギンポ】
セグロヘビギンポは伊豆諸島八丈島では-10m以深で見られるヘビギンポで、浅い水域では見る事は稀だ。-40m近い水深でもこのヘビギンポをよく見かける。

体中に金箔を塗したような体色で、これが意外に綺麗だったりする。写真写りもなかなか良いヘビギンポだ。

そうは言っても遠目では地味で小さなヘビギンポ。。。

これがメスへの求愛時は真っ赤な体色を呈しパンパン跳ね回る! 婚姻色になってようやく分るのが「セグロヘビギンポ」の和名の由来ともなる背ビレの黒斑だ。

その繁殖期は初夏の早朝なのだが、そんな時間帯にある程度深い水深をウロウロし、しかも岩肌を舐めるように見ていくダイバーも少ないだろうから(笑)、このヘビギンポの婚姻色を見るチャンスはなかなかないかもしれない。


原崎
原崎 森(しげる)

1970年8月26日生まれ
山梨県出身

八丈島から屋久島へ。。。
巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。

鹿児島県・屋久島

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