南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

ライバル的な存在


今この原稿をモルジブで書いています。

はい、今回もペリリューからではなく他所様のフィールドからでございます。

いや、しかしモルジブは凄かった。世界一人口密度が高いと言われる首都マーレを後にしてメジャー所のダイブサイトを回ってきましたが、生物の密度の高さも半端ではありませんでした。売りのジンベエ、マンタはもちろん、ハンマーも30匹の群れで出るし、ナポレオンは2mオーバーのサイズ。水温高いにもかかわらずイソマグロは普通に見られるし、群れる魚たちもヨスジフエダイ、ムレハタタテダイ、パウダーブルーサージョンフィッシュときれいな魚ばかりが数百の単位で登場。雑誌などでよくパラオと比較されるモルジブですが正直「やられた〜」と思わざるを得ない印象です。

パラオにとってはライバル的な存在のモルジブですから乗り込む時は「モルジブがなんぼのもんじゃい!」くらいの勢いだったんですが、いざあれやこれやと見せてもらっているうちに引率して行ったお客様以上にキャーキャー言いながら自分が楽しんじゃってすっかりハマってました。

恐るべしモルジブパワー!

もちろんパラオだって負けていませんよ。環礁のみで構成されるモルジブは環境的な差異がほとんど無い為、魚種の多さという点ではおそらく圧倒的にパラオのほうが上でしょう。

パラオと同じような環境でも潜りましたが魚の種類は少ないというのがどのポイントでも印象に残りました。おそらくどこも似たような環境であるため。そこに適応したいくつかの種類だけが特に勢力を増し、結果優位に繁殖を行いその子孫が同じ事を繰り返してさらに数が増える・・・

きっとそんな繰り返しが現在のモルジブの水中景観を作り上げていったのでしょう。に、してもなぜこんなにきれいな魚ばっかりが優位に立っているのか?単なる偶然なのか、それとも何か理由があるのか??

「もっと地味な魚たちでも勢力を増して大きな群れを作っている種がいくつかあってもいいじゃない」と、ひがんでみたりして・・・

それにしても驚かされたのはプランクトンの量。広大な環礁のためプランクトンが湧いた水がそのままストックされているのでしょうか?ジンベエエリアではそれこそプランクトンを掻き分けて潜るような感触の場所まであるくらい。確かにこんな水ならあれだけの数のジンベエやマンタや数々のプランクトン食の魚たちも軽く養えるのでしょう。それになぜか水温が高くても現れるハンマーやイソマグロ。これからペリリューに戻ってガイドする上でも色々参考になりそうですね。この号が出る頃にはペリリューに戻ってます。そしてすぐにパラオもシーズンイン。いろいろ勉強させてもらったことを生かしたポイント開拓しなきゃ。

う〜 わくわくしますね〜


遠藤
遠藤 学

1973年生まれの東京人

学生時代に所属していたダイビング部のOBである現オーナーにサラリーマン時代の1/8の年俸でヘッドハンティングされ、パラオに移り住んで早9年目。

七色の技を繰り出す怪しいガイドで独自の地位を築くも、年々ハードルが高くなるお客様のリクエストに応えるため日々技の開発にいそしんでいる。

次の目標はバショウカジキ。うまく魚が技に反応すると「来た〜」と、言うより「食ったぁ〜」と叫んでしまう釣りバカでもある。

ミクロネシア・パラオ

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