デジタル談義 その19 豪海倶楽部  

【こ】

イノンハウジング

更新が遅れて申し訳ないです。本業のサラリーマンが忙しくて・・・。

普段、順調にアップしているときはあまり反響がないのですが、休むと所々からブーイングが来ます(笑)。

【ゆ】

俺もいそがしくて、ありがたかったす!

【こ】

意外なところからも「読んでます」という声があって、少し励みになるのですが・・・まだ足りません(笑)。

といいつつ、9ヶ月!のブランクとなりましたが6月と7月の頭に少しずつ潜ってきました。半年寝かせておいたイノンのハウジング、ようやく沈めてきましたよ。

【ゆ】

こちらも初めてイノン使いました。

【こ】

どうでした?

【ゆ】

基本的にはよくできたものですね。僕は右グリップは、必要派なので、実際画面を正確にきるには必要です。にぎるタイプのハウジングは、手の大きさによって、合う人合わない人の差がでます。シャッターをきる時片手撮影だとカメラが動きやすいですね。デジタルだと多少はいいかというのもありますが・・・ただ、グリップ付きだと大きくなるので、お客さんに受けないんでしょうね。女性もいますし、小さいにこしたことないですから。両手グリップは、いらないですが。片手撮影がおそらく90%の僕だからですが、あとはファインダーも見やすく明るいし、全体に質感も操作感もいいですね。陸上での重さも、大きさもよし。

小型に作ると、水中重量は当然重いので、対策済みです。そのうち写真だします。フロートとか付けてんですが、かっこは多少悪くなるけど、水中重量は大事なことです。フロート類は持ち運んでもたいした重量でないし、値段も安いので、ハウジングを小さく作るのもありだなと思いますが。多少大きくして、はじめから水中でのバランスを考えたハウジングがあってもいいとも思います。他のメーカーはさらに重いでしょうから、しょうがないですが、やはりお客さんが、それに気がつかないと、小さくなけりゃ相手されないですしね。そうそう電蝕対策の部品までついてますよ。

【こ】

電蝕は意外に盲点ですね。

自分は素通しのファインダーなんですけど、以前のS&S(DX-10D)より少しですがファインダー四隅がさらに見えないですね。

DX-10Dは軽いピックアップを挟んでいた・・・みたいです。

【ゆ】

イノンのピックアップは十分明るいですよ、そこが気に入った点のひとつです。

【こ】

慣れてくれば以前と同じような感覚で撮れるようになってきましたが、いい状態でないことは確かですよね。SS、絞りの数字もほとんど見えないですし。

【ゆ】

ぜんぜん見えるよ〜。5Dはキャノン純正の、なんとかで、だめなんですが水中用に開発してるから、水中メーカーの方が、僕の5Dよりいいですね。

イノンを使ってみようという理由の一つです。普通のピックアップファインダーで、データ関係は十分みえますので、満足しています。

【こ】

で、春先に発表されていたストレートの望遠?ファインダー、を注文してみました。ただ、手元に来るのは夏の終わりごろになりそうです。

ちょっと見たところ強度が心配ですが、そういう意味でのハードなダイビングはしていないので、とりあえず付けてみます。

「45度ファインダー」の見え方は本当にうらやましいんで、ほぼそれに近いファインダー、かなり楽しみです。

【ゆ】

確かに完璧にみえますもんね。

僕はあれはとりはずしできたら、運搬も楽で小さいので、いいと思うんですが。

僕の使い方では、普通ピックアップが1番でしょう。片手で撮ると顔でハウジングをおさえるし、十分満足してるし。でも目の悪い人とか老眼の人とかにいいのかもね。

【こ】

いや、イノンから出ている(これから出る)4種のファインダー(45度、ピックアップ、素通し、ストレート望遠)は取り付け部分にすべて互換性があって、取り外し用の専用工具がハウジングに同梱されているようです・・・

自分のには入ってなかったですが(笑)。

【ゆ】

あ、そうなんだ、だと使いでもあるかもね。僕はいまのとこ十分ですが。

付け加えますと、カメラのとりはずし、組み込みは精度がなかなかで、容易ですね。

毎日はずすので、大事な部分かもしれません。そのためにポートまではずさないといけないハウジングもありますが、僕はいやです。外す所が多いと水没の危険もふえるし、あえて難癖をつけると、ハウジングをとめるパッチン錠がきついです。ツメでは無理で道具使った方がいい。より安全を考えてでしょうが、プロむき軽いタイプが欲しい!DWの細田カメラマンも同じ意見です。

【こ】

ん?・・・自分のはそんなに固さを感じなかったですが・・・。

【ゆ】

コウスケさん、力あんじゃない?

さて、僕はイノンのストロボなので、光コードを使うつもりで、頼みましたが、光コードもストロボのタイプ、カメラのタイプでいろいろあるんですね〜〜

220Zではだめなコードたのんでしまい、今の240Zを至急借りてつかってみました。30Dによる、カメラの内蔵ストロボを使うTTL撮影です。

昔はハウジング内に光を出す部品と電池があり、しかもハウジング下部にあったので、カメラを壊さない程度の小さな水没で光の部品が壊れて使えなくなる可能性を考えて、使用しませんでしたが、今はコードだけですので、リスクも重量の増加もないし、使ってみようと思ったのです。

で、TTLの精度がかなりいいのです。ストロボ補正もできますし、そのへんは来月かこうかな・・・

【こ】

S-TTLによるオートですか・・・周りの意見だと「全く問題なく使えている」という人と、「つかいもんにならん」といってマニュアルに戻る人と二分されていますね。

自分も240Zが2個になったので、光ケーブルを買ってくればいつでもできるんですが・・・雄輔さんの具合しだいでは考えてみます(笑)。

しかしあの光ケーブル、高いですね〜。コンデジ時代の体験上、決して耐久性は高くないですしね。

【ゆ】

俺、前に使ってたときは、耐久性、気にならなかったけど、それはこれからですね。そうか電気コードより高かったっけ、

【こ】

ああ、そういえばシンクロコードもかなり高いですね(笑)。 光ケーブルの耐久性に関しては「自分の使い方、扱いが雑だった」のかもしれません。

【ゆ】

しかし、まったくつかいもんにならん派がいるのか?

よくわからんな・・・STTLは、カメラ側の精度だけどね、あと、ハウジングによって、他社だと、なんとかの部品を使う、アンサーに売ってるとか、コンデジでは、コードの取り付け方が正確さがいるとか、いってたな〜あくまで僕のいってるのは、イノンハウジングと240Zでしかためしてないからね。

マッチングの表が240Zの説明書にでてるが、カメラの方式が沢山あるから理解するの大変。普通説明書をよまない僕だが、これは読んだ方がいいとおもう。オートにもいろいろあって、??なんだよ。相当読んだ。このへんイノンがHPで、簡単に検索できるようにしてくれるといいね。

30Dイノンと220はこう使う、240はこう使うってでると便利だろうね。

【こ】

印刷に関して

掲示板に書きこみがあった印刷についてですが、掲示板には一応返答しておきましたが、いずれ下がっていくので、ここで復習したいと思います。

【ゆ】

お願いします。

今作り始めた、ヤマケイの図鑑には、勉強という意味でかなり使おうと編集者とはなしています。数量が15000になってるのに、使った写真は10枚いってないですから、

【こ】

時々質問を受けますが、バックナンバーを読んでいただければ結構回答がありますので・・・

有効に利用していただければ、と思います。

【ゆ】

そうだね。よんでから聞くべし!

【こ】

さて、質問は、高知は甲浦(かんのうら)のトラキチガイドさんから寄せられたもので、「ゲストの方がフォトコンに応募し写真が掲載される事が多くなり大変喜んでいるのですが、撮影しプリントしたモノと掲載された写真とではどうしてもイメージが離れてしまいますよね。

環境の違いは理解しているのですがゲストレベルで(主にs-RGB環境)データーを受け渡す際の注意はどのようにしたら良いでしょうか?」 ということです。

この問題ですが、デジタル化によって引き起こされる問題のほとんどすべての含んでいますのでひとつひとつ解きほぐしていくと、いろいろと見えてくると思います。

まず「撮影しプリントしたモノ」ですが・・・。

1. モニターのキャリブレーション
一部のプリンターや、店頭のプリンターのように、撮影したままメディアを直接プリンターに差し込んで印刷、というような場合は別ですが、大部分の方はいったんパソコンでその画像を開いて印刷されるかと思います。RAWで撮っている方は、直接プリントはまずできませんし。

で、いったん見てしまえば、ちょっといじりたくなるのが人情ですし、「いじること前提」でここでは話しを進めてきました。

画面を見ながらいじるということは、その画面がデータを極力忠実に現していないと意味がないものになってしまいます。そこでどうしてもモニターのキャリブレーションが必要になってきます。

質問の「プリントしたモノと(雑誌に)掲載された写真とのイメージの乖離」という点からは少し離れてしまいますが、この部分はとても重要です。

キャリブレーションに関してはバックナンバーにいろいろと解説していますし、機器の値段もずいぶんと下がってきています。

2. データに忠実なプリント
自分のパソコンから自分のプリンターでプリントするだけであれば、納得いくまで微調整を繰り返せばそれでOKですが、この質問の場合のように「データを受け渡して」ということになれば「共通の基準」が必要になってきますし、当然自宅でプリントする場合もこの基準にのっとってプリントしたものを「基準とするプリント」としなければ意味がないものになってしまいます。

つまり「データに忠実なプリント」が必要になってきます。

これに必要なものは、バックナンバーでもたびたび触れてきましたが、

・データそのものをプリントするソフトウェアと、その操作
・それぞれのプリンターと用紙に合わせた「プリンタープロファイル」

が必要になってきます。

前者はフォトショップを中心に話を進めてきましたが、最近はカメラメーカーの純正ソフトもこの部分かなり充実してきていますので、そちらを使ってもいいかと思います。

後者はプリンターメーカー純正用紙でしたらそのメーカーのサイトに、サードパーティーの紙でしたらそのメーカーのサイトにプリンター別に、たいてい用意されています。

次に「掲載された写真」ですが・・・。

3. データの扱い
ご存知かと思いますが、JPEGファイルは保存のたびに画質が劣化します。圧縮率を上げても同様です。

従ってレタッチを繰り返す場合は特にJPEGでの保存を避けて、TIFFでデータを扱うべきです。

4. 受け渡すデータ
受け渡しはJPEGを指定される場合も多々ありますが、その際もできる限り圧縮率を上げないようにしましょう。

また色域は明記しておいたほうがいいです。sRGBかAdobeRGBか。

AdobeRGBで写真データを扱っている人はまだまだ少数派でしょうが、今後はかなり混在してきますので。

1から5までで共通することは、とにかく「自動制御」「オート」を挟まない、ということです。

しかしながら・・・

ここまでやったしても、受け取る側のデータの扱いによっては「ズタズタ」にされてしまいます。雑誌などでレイアウトされるような場合は、デザイナーに含めていろんなことをされてしまいますし、いろいろな人のデータが寄せ集められるような場合は、最大公約数的な色の扱いにされてしまいます。

まあそれでも意味がないことではないですし、外注プリントに出すような場合はこの手順を守ることでかなりイメージどおりのものができるはずです・・・ただし普通のDPE屋的なところではなく「ラボ」的なところに出す場合ですが。

【ゆ】

雑誌でみてきれいという写真は、ポジにしろデータにしろ、さらにきれいな写真だということです。

ぼくらも元写真以上に、きれいになるなんてのは例外で、1枚1枚、熟練のデータマンと打ち合わせをしつつ、かなりいい紙に、高い印刷をする場合の写真集でさえ、ポジあるいはデータから、反射原稿の紙という媒体、まったくちがう世界に、トランスレートするわけですから簡単にはいきません。

この過程はいずれにしても、金のかかる世界で、カメラマンがいい原盤を撮るのが1番のコスト節減みたいな感じでもあります。

【ゆ】

モニター

で見える色が、幻想とはいいませんが、モニターで見えるわけだから、けど印刷の世界から見れば幻想になってしまう部分もおおいと思います。

フォトショップの色域外警告の話も説明してほしいな〜〜そのうち。

1番ありがたいな〜と思うのは、色温度、微調節かな、

【こ】

トータルでの色域外=白飛びのはなしはいろいろとしてきましたが、RGB個別の飛び=色の飽和に関してはまだあまり触れていなかったですね。

色が飽和すると「塗り絵」になってしまいます。水中写真の場合どうしても「彩度を上げる」方向でのレタッチが多くなりますので、常に色飽和の危険をはらんでいます。

で、画面がデータを忠実に再現していれば「見ればわかる」んですけど、実際にはそういうわけにはいっていないので、フォトショップでの「色域外警告」の機能でチェックしながら、ということが重要になってきます。

次回はこれを取り上げましょう。

【ゆ】

そうそう、いいね。

ちなみに、画面でみて、水の色の1番いいカメラはフジですね。そのデータをもらい、色域外警告で調べると、多いです。5D以上に、友人の専門家にデータを見てもらうと・・・

ワイドはフジを買うか?と一瞬悩んだので、幻想の色といわれました。あくまで商業用の印刷にする意味でですが、でも結局色をにごらせないと、出ないんではね〜

今度の図鑑では、露出アンダー1/2とか1段の写真もテストしてみよう。どのくらいの影響がでるかね・・・

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