南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

誰からともなくパーティー

先日、スタッフのスターの誕生日だった。デイドリームでは誰かスタッフの誕生日になると、誰が言いだしっぺという事なく、誰からともなく店の前でBBQが始まる。予算は掛けずに食べ物は持ち寄ったり、年上のスタッフが材料を差し入れしたりする。飲み物はその時に小銭を持っている人がビールを買えばいいという感じで、大体 僕か遠藤などが払う。普段は予算とか割り勘とかやるのだが、僕らが居ると不思議とそういうシステムは使われない。なぜなのだろう?

「明日は誕生日。外でBBQだよ」誰からともなくその情報がお店に伝わるのが前日。各自、頭の中で何を持ち寄るかを考えてくる。僕はきっとビールを買う“お財布”の係りだから特になにも考える事はない。明日のBBQは旨いかなぁ、なんてことだけ考えておく。

そして当日。お客様がお店から帰られ、翌日の準備が終わるか終わらないかのうちに、店の脇ではBBQグリルから早速煙が昇り始める。仕事の終わったスタッフから一人、また一人と店の前の桟橋へと出て行ってプシュッっと始まる。程なく皆が揃い、「乾杯」と「おめでとー」の声が響く。パーティーの始まりだ。

テーブルには様々な料理が並ぶ。BBQはもちろんだけど、こっちの炊き込みご飯である「レッドライス」が僕はお気に入り。名前のとおり色が赤オレンジのご飯のこと。香りがよくて美味しいのだ。あまり体に良くなさそうな色なのだが、木の実で色をつけるんだとか、天然着色料なのか。ふーん。

ローストポークも美味しく出来てカットにはキャプテンのムルックル。薄さがポイントらしく必死だ。仕事もそのくらい必死なら最高なんだけどな。

7時半ほどから始まって1時間もするとお腹は満たされてくる。テーブルのお料理の量も半分くらいになって、テーブルが片付けられると、メインのイベントがはじまる。「海落とし」である。またもや誰からともなく、誰かが落とされるところから始まる。ドボーン、ドボーンと次々にスタッフ達が落とされていく。落とされたスタッフが他の乾いているスタッフを捕まえに行っては海に落とす。まるでゾンビが新たなゾンビを作るべく仲間を増やしている光景に似ている。落とされたゾンビは必死で追いかけ、追われるほうも必死で逃げる。もう最近は本気で追いかけっこなんてやらないから、結構楽しい。まあ、僕はあまり落とされることはないのだが、気を抜いているとゾンビにされる。(笑)

この頃になると皆テンションが上がってるから、自ら飛び込む、船から飛び込む、人を連れて飛び込むなど飛び込みがエンターテイメント化、エスカレート化してくる。そのうち服を着ていない者まででてくる。あちこちから笑い声が聞こえ、大の大人が揃いも揃ってふざけて真面目に遊ぶ。

いつまでも、本気で遊べる大人でありたいと思う。そしてその遊びに本気で付いてきてくれる仲間達。僕は最高のメンバーに恵まれていると思いつつ、笑い声と、ビールシャワーの中、パラオの夜は更けていくのであった。


秋野
秋野 大

1970年10月22日生まれ
伊豆大島出身

カメラ好きで写真を撮るのはもっと好き。でもその写真を整理するのは大キライ。「データ」が大好物でいろんなコトをすぐに分析したがる「分析フェチ」。ブダイ以外の魚はだいたいイケルが、とりわけ3cm以下の魚には激しい興奮を示し、外洋性一発系の魚に果てしないロマンを感じるらしい。日本酒より焼酎。肉より魚。果物は嫌い。苦手なのは甘い物。

ミクロネシア・パラオ

DayDream PALAU

P.O.Box 10046 Koror Palau
96940
Tel:680-488-3551
Fax:680-488-2199

www.daydream.to/palau
akino@daydream.to