南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

パラオの海から

ハファ デイ! 僕は何故かGuamに居ます。GuamのDayDreamに助っ人として来ているんです。社命とは恐ろしいものです(笑)。 こんなチャンス(?)はナカナカ無いので今月はGuamのことを書くことにします。

6月末から滞在して、まだ半月ちょっとしかここの海を潜っていないのであまり偉そうなことは言えませんが結構楽しんでいます。いつもパラオでばかり潜っているから普段と違うGuamの海はすごく面白く感じます。

毎日潜っていて一番感じるのはやはり水の良さ。マリアナブルーと比喩されるその透明度はパラオがメインフィールドになっている僕にとっては本当に驚きです。7年もパラオでガイドしているとその透明度に慣れてしまっているようで、エントリー時どうしてもパラオの水をイメージしちゃいます。で、飛び込んでみるとそのイメージに合わない透明度40mオーバーの海が目の前に広がるからびっくりしちゃうんです。これだけは2週間以上経っているけどなかなか慣れませんねぇ。パラオだって普通に30mは見えます。パラオの透明度が悪いわけではなくここが凄すぎるんでしょう。湾内もそこそこの透明度はあるのがここの凄いところ。この写真はウエスタンショールというポイントで、湾の一番奥に位置するポイントです。ってことは一番透明度が悪そうな場所なのにこれだけの透明度があるんです。うーん、凄い。

ただ、透明度が良い分だけ仕方ないのかな?魚はやっぱり少なめだと思います。パラオと比べちゃ可哀想だと思いますが正直な感想です。でも誤解してほしくないのですが、Guamに魚がいないなんてことはありません。

例えば、潮を合わせないとなりませんがブルーホールから北西へドリフトで流すと7割くらいの確率でブラックフィンバラクーダの群れが見られるバラクーダポイントがあります。ここはDayDreamで勝手にそう呼んでいるだけで、近くにあるバラクーダロックというポイントとは別の場所です、念のため。群れの大きさは少ない時には30匹くらいですけど多い時には300匹くらいにもなります。バラクーダ300って言ったら結構立派な群れですよ。パラオのブルーコーナーでも気合入ったときに500〜600ですから。300いれば軽い渦くらいなら巻くこともあります。ちなみにこの大群を見るには潮の流れだけでなく月齢も読まないとならないようで、スタッフの話を聞きながらデータを取ってみたらある一つの法則が見えてきました。まぁ、まだ仮説の段階なのでここで発表するのは控えることにします。

パラオではお馴染みのグレーリーフシャークやネムリブカは、このバラクーダポイントの下で目撃できることが多いようです。Guamにはサメはいないってこっちの日本人ガイドから聞きましたがトンでもないことです。でもまぁ深いのでパラオほど近くまでは寄れないですけどね。

マクロの魚もいろいろいます。ブルーホールの近辺にはニラミハナダイを含め6種のハナダイの仲間が確認できます。ニラミを除き全て40m以浅でいわゆる通常のダイビングの範囲で見られます。ってことは下に行けばもっと別のハナダイ居るんじゃないか?って期待を(笑)してしまう、そして行ってしまう。そんな僕は悪いダイバーです。(爆)

ハゼ類はどこの海でも楽しめる魚ですが、Guamもその例に漏れません。パラオでは滅多に見ることのないRed banded prawn gobyはGuamでは普通種だそうで、伊豆のダテハゼほどの扱いだそうです。綺麗なのになぁ。ベニハゼ類も未記載種も含め僕が確認しただけで6種見つけました。まだまだいるでしょう。内湾はFilamented sand gobyから始まり、ヤジリ、シマオリ、カスリハゼの仲間は確認済みです。もっと探しますよ。さらに奥のマングローブ域はトサカハゼ、クモハゼの仲間?から挙句の果てはトビハゼまで。たった数日でこれだけ簡単に見つかるのだからもう少し気合を入れればもっといろいろ出てくるはずです。ハゼ好きの人ならば内湾、特にマングローブの辺りが面白いと思いますよ。写真のような場所からエントリーします。

ちなみにハゼ科からは外されちゃいましたけどシコンハタタテハゼは現在3固体ブルーホールの脇にいます。お客さんからのリクエストも多く、根強い人気の魚ですね。しかしパラオで山ほど見ているので僕にとってはシコンよりもパラオに居ないベニゴンベやコガネヤッコを見ているほうが幸せ感じちゃいます。こんな僕は変ですか?

チョウチョウウオはGuamならではのYellow crown butterfly fishから語らないとなりません。聞いた話ではアクアリストの間では50万で取引されるほどのお魚。へーーーって感じですね。確かに生息地域も狭く個体数も少ない魚ですからね、希少価値が出るのでしょう。50万出すならダイバーになってGuamに見に来るな、僕なら。ここでもパラオには少ない魚がGuamでは普通種だったりするところが面白いところで、ベニオチョウチョウウオがここでは一般人扱いでした。びっくり。

こんな感じでGuamの毎日は発見と驚きの連続です。これで全てではありませんが、もう字で書くの疲れました。直接話するのでGuam来てください。8月15日まではいますから。(笑)

本来ならばもっと魚の写真を入れたかったのですが、えっちらおっちらパラオから重たい思いして持ってきた本気カメラではまだ撮影していません。だからストックがありません。パラオの写真のストックならあるけれど、Guamのこと書いている時にパラオの写真は使えません。なので急遽お気軽デジカメで今日撮ってきました。だって文章だけなんて自分的に寂しかったので。

来月号も続きでGuamのこと書こうかと思っていますが、その時にはきっと何点かもう少しマシな魚の写真を載せられると思います。頑張って撮ります。もし来月号の内容が違うものだったら「ああ、写真撮れなかったんだな」と思ってください。(笑)

さて、それでは最後に見てください、内容とは全然繋がりませんがGuamは夕景も綺麗です。 それじゃ、アディオス!!


秋野
秋野 大

1970年10月22日生まれ
伊豆大島出身

カメラ好きで写真を撮るのはもっと好き。でもその写真を整理するのは大キライ。「データ」が大好物でいろんなコトをすぐに分析したがる「分析フェチ」。ブダイ以外の魚はだいたいイケルが、とりわけ3cm以下の魚には激しい興奮を示し、外洋性一発系の魚に果てしないロマンを感じるらしい。日本酒より焼酎。肉より魚。果物は嫌い。苦手なのは甘い物。

ミクロネシア・パラオ

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