イカしたお話し

豪海読者の皆さん、こんにちは。レグルスの加藤です。水谷ではありません。

実は彼女、体のやる気と気持ちのやる気のボタンを失い、今月の海のお話しをお休みしたいと申しているので、ピンチヒッターの私めがお伝えすることとなったのです。

おそらくこの号が紹介される頃には、ボタンも見つかり、ブチって押されて復活していることでしょう。

さてさて今月は「イカしたお話し」をしてみましょう。

まずは過去の水谷の記事を見て、八丈島のイカ事情を復習してください。

春から初夏、たくさんのアオリイカたちが、八重根のイカ床に集結して産卵します。イカ床を設置した、八丈島のダイビング事業者である私たちの苦労が報われる瞬間です。

伊豆で見慣れているダイバーは、「なんだ、アオリイカの産卵かぁ〜」と、わざわざ八丈島まで来て見なくてもと思ってしまうかもしれませんが、いやいや、まずは見てください。

八丈島の子は、とにかく巨大なんです。

そうですねぇ、どのくらいかというと同長50cm〜60cmで足まで入れたら1mはあります。

伊豆で見られるアオリイカは、同長30cm〜40cmで足まで入れても精々60cmくらいでしょうか。同じアオリイカでも、全然大きさが違うんです。

どうしてこんなに違うのか? それは・・・、はい、過去の水谷の記事で復習してください。

読みましたか?? そうなんです、まだ正式には分けられていませんが、伊豆のアオリイカは「白イカ」と呼ばれ、八丈島のアオリイカは「赤イカ」と呼ばれ、まったくの別種になるのです。識別ポイントは、まず大きさですね。あとは背面が白っぽく見えるのが「白イカ」、背面が赤く見えるのが「赤イカ」ですから、色彩でもある程度見分けることができます。

赤イカ

まぁでも、見慣れていないと色で見分けるのは難しいかな。

一番簡単な方法はひと房の中の卵の数を数えることです。白イカは大体5〜6個入っていて、7個以上は入っていることは、まずありません。

「赤イカ」は、8〜9個入ってます。では写真で数えてください。

赤イカの卵

ちゃんと9個入っていますね。

でも「白イカ」、「赤イカ」、どっちもアオリイカです。見分けられたからと言っても何も得することはありません。

ただ八丈島には、伊豆で見られるアオリイカとは別の種類の、とんでもなく巨大なアオリイカがいるんだぜ!って知ってほしいだけなんです。

つまり自慢したいんですね。えっへん!

で、もしも八丈島で「白イカ」も見られたら、さらに自慢できる! と思い、かなり探しました! …が、残念ながら見つかりませんでした。

その代わり、もう一種類の「くぁいか」と呼ばれているアオリイカが見つかりました。

この種はアオリイカの中で一番小さいサイズ、同長15cm、足まで入れると30cmくらいです。卵のひと房に2つしか入ってません。まぁ体が小さいから房の長さも短く、短ければ卵の数も少なくなるのは当然ですね。

はい、こちらが「くぁいか」の卵です。沖縄では死サンゴの下に産み付けられますが、八丈島では石の下に産み付けられていました。

くぁいかの卵

かわいい卵ですね。

で、その卵を産んだ親がこちらです。

外見は多少赤イカよりも黒っぽいのですが、小さい赤イカって感じで、多分見分けることは無理でしょう。サイズも小さいし、産卵する時には岩の下に入ってしまうので姿が見えなくなります。「くぁいか」の産卵ショーは、地味すぎて人気はでないでしょうね。

八丈島の記録としては凄いんだけど、営業的にはちょっと使えないです。

やっぱりアオリイカの産卵ショーは、巨大なのが、ぐわーっと降りてきて産卵する姿がいいんです。皆さんがこの記事を読んでいる頃、八丈島の八重根の沖で、たくさんのアオリイカが集結して大産卵ショーが行われていることでしょう。

是非皆さん、この「赤イカ」の産卵ショーを見に来てくださいね。

「赤イカ」の。。。えっへん!

アオリイカ
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加藤
加藤 昌一

横浜出身、獅子座
昭和30年代生まれ、気分は昭和50年代

1992年にレグルスダイビングを設立する。フィッシュウオッチングの草分け的存在。

飽くことなく潜り続け、水中生物は分け隔てなく撮り集めているため、膨大なフォト・ストックを有する。

ガイド業も第一線で活躍しているが、写真家としても注目され、「エビ・カニガイドブック」「ウミウシ 生きている海の妖精」「スズメダイ」「海水魚」を出版する他、さまざまな水中写真を図鑑や雑誌に多数提供している。

水中生物だけではなく、陸の生き物も大好き。特に爬虫類が大好き。

伊豆諸島・八丈島
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