ガイドのつぶやき - 鹿児島・屋久島からThe Diving Junky Magazine

屋久島を北限とするヤドカリたち

黒潮は台湾と与那国島の間から沖縄本島や奄美大島などを避けるように東シナ海を北上し、屋久島付近で大きく曲がり日本の太平洋側に流れ込む。

この流れのおかげで南からカラフルな亜熱帯域の生き物が屋久島に流れてくる一方で、この黒潮が障壁となって逆に屋久島以南では見られないような温帯系の魚も見られるのが屋久島の海の大きな特徴だ。

そして共に幼魚ではなく、成魚が見られ繁殖もしているのだから、初めて屋久島の海に入ったダイバーは「ここはどこ?」と混乱してしまうのも無理はない。(笑)

ヤドカリも当然、亜熱帯種と温帯種が混じる混沌とした状況が見られる。

今回は屋久島以北では見られないヤドカリを紹介したい。

つまり、屋久島を北限とするヤドカリたちだ。

【ティーダゼブラヤドカリ】

ティーダゼブラヤドカリ

2007年4月に新種記載された美しい南方系のヤドカリで、 ティーダは琉球の言葉で「太陽」を意味するそうで、鮮やかなオレンジ色の体色からこの名がつけられた。

今のところ琉球列島以北からの記録はないようなので、屋久島のこの記録が北限になるのだと思う。

ただ、屋久島でもやっぱり数は少なく、過去に数個体しか見た事がないので、普通種とは言えないかもしれない。。。

【ヒルギノボリヨコバサミ】

ヒルギノボリヨコバサミ

上のティーダゼブラヤドカリが琉球列島以北では見られないヤドカリであるのに対し、このヒルギノボリヨコバサミはもっともっと南の八重山諸島のみで見られるヤドカリなのだが、屋久島ではある一定の環境であれば成体もかなりの数が見られる普通種だ。

この和名からも分かるように八重山諸島などではマングローブ域で見られるヤドカリなのだが、屋久島にはまともなマングローブ環境はほぼないと言っていい。

ではどこにいるのかというと、川の普通の河口だ。

泥環境であることは同じなのだが、横からは生活排水が入り込むようなやや汚い川の河口に生息している。

多分、黒潮を通して八重山諸島方面から頻繁に運ばれ、こうした場所に仕方なく適応するのだろう。。。

屋久島の海は黒潮の流れからいって、沖縄本島付近や奄美諸島などとは交流がないが、西表島や与那国島など八重山諸島からは黒潮を通して生き物が流れてくる。

なので、沖縄本島や奄美大島ではまだ記録がないような生物が、突然、屋久島に現れ、そのまま環境に適応して世代を重ねる例は多い。

これも屋久島の海の大きな特徴だと思う。

原崎
原崎 森
(はらざき・しげる)

1970年8月26日生まれ
山梨県出身

八丈島から屋久島へ。。。

巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。

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