複雑な心境

目の前で、大の大人が喧嘩を始めたら、皆さんはどんな気分になるでしょうか。

喧嘩と言っても、いろんなシチュエーションが思い浮かぶでしょう。電車や駅で遭遇した知らない人同士の喧嘩、繁華街での酔っ払いの喧嘩、職場での言い争い、夫婦喧嘩など。たいていの場合、あまり良い気分にはならないだろうと思うのですが、面白がって野次馬になっていることも、たまにはありませんか?

人口密度の低い島で暮らしていると、あるいは従業員の少ない店に勤めていると、誰かが喧嘩をしている場面に出くわすことが滅多にありません。多少言い合いになることはあっても、激しく怒鳴り合うとか、つかみかかるとか、長年テレビでしか見覚えがありません。

それが、つい最近、ある仕事のお手伝いをしに出かけた時、久しぶりにそんな場面に遭遇してしまいました。

見ず知らずの人達ではありません。きっと仕事のやり方や見解で食い違いがあったのでしょう。少し離れていた所にいたので会話は聞き取れなかったのですが、一人の男性が突然目の前の男性の襟元を掴み、大声で怒鳴り出したのです。掴まれた方の男性は、何か言い訳っぽく小声でしゃべり、それ以上の大事にはなりませんでした。

喧嘩と言うほどのこともなかったかも知れませんが、私は、ちょっとした野次馬根性で面白がって見ていました。そして、ふと、一緒に仕事をしていた男性の方に振り返ると、なんと、その男性は瞳をうるませて例えようもなく悲しそうにしていたのです。

はっと我に返り、面白がっていた自分が恥ずかしくなりました。

しかし、喧嘩も殺し合いも、人間の専売特許ではありません。

単純に強いものが生き残る自然界では、同種同士の争いは日常茶飯事。海の中では、縄張り意識の強い生き物の場所取り合戦が盛んです。

年が明けて気づいたのですが、八重根ではコケギンポの仲間たちの数が急増しています。普段はサンゴや岩に空いた小さな穴で暮らしているため、数が増えると、住み心地の良い穴は取り合いになるのでしょう。

このコケギンポの喧嘩は…

細長い身体をくねらせて取っ組み合っている様子が、見ていて楽しくて仕方がありません。

コケギンポの喧嘩

この2匹も必死なのですが、撮っているこちらも必死。くねくねと動き回り続けるので、ピント合わせが大変なのです。

よし! そこだ、もういっちょ、がんばれー! そのまま止まれっ!!

がぶっ!!

がぶっ!!

争いが終わったのか、1匹は退散。

えっ? もうちょっと撮りたかったのに。

そこで、またふと我に返りました。

この前の、人の喧嘩を見て面白がっていた自分を恥ずかしいと思った自分は、何だったんだろう? サカナ同士の喧嘩の、この面白さは、どう説明したら良いんだろう?

相手がサカナだから、と割り切って良いものか。

この複雑な心境は、来月に続くのでした〜。

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水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島
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