砂地のハゼ特集

皆さんこんにちは。秋の伊豆は水温・透明度・魚影の濃さと3拍子揃ったベストシーズン! の筈なんですが・・・、今年は9月の半ばから10月の下旬にかけて立て続けに台風の襲来を受け、ホームのI.O.P.に潜る機会はほとんど作れず、いきおい西伊豆に遠征する機会が多くなりました。

・・・という訳で今月は西伊豆で見られた魚達の中から場所を黄金崎、分類群をハゼ、生息環境を砂場に絞って5種類紹介します。

オトメハゼ

オトメハゼ:
これ以降に紹介する各種とは違ってエビとは共生せずに自分で巣作りするクロイトハゼ属というグループに属します。この属には他にクロイトハゼ・ササハゼなどの温帯適応種やこの種類と同じように季節来遊的に出現するアカハチハゼなどがいますが、いずれも個性的な面々でハゼの中でも個人的にお気に入りのグループです。

ハチマキダテハゼ

ハチマキダテハゼ:
頭部のラインが捻り鉢巻をしたように見えることから付いた名前でしょう。ラインの角度が少し違うだけで何故か気合が入っているように見えてしまうのが不思議です。このような“普通種(ダテハゼ)にそっくりなのによ〜く見ると微妙に違いがある”種類というのはオタク心をくすぐるものがありますねぇ〜。

ネジリンボウ

ネジリンボウ:
インパクトのある名前のおかげもあるのでしょうか、この手のハゼの中ではダントツの一番人気と言っていいでしょう。なんと言っても頭の黄色がチャームポイント、巣穴の上をホバリングしながら四方八方に目配りする姿は健気にも見えます。

ヒレナガネジリンボウ

ヒレナガネジリンボウ:
ネジリンボウとは長く伸びる背鰭によって“仕分け”られていて、ある意味本家より目立ちます。ネジリンボウと異種間ペアを組むこともあります。各鰭が全開になっていて「我ながらよく撮れたなぁ〜」と自画自賛しております。

ホタテツノハゼ属の1種(3)

ホタテツノハゼ属の1種(3):
本家のホタテツノハゼを代表とするこの属にはまだ和名の付いていない種類が複数種いて、整理の都合上この種類には“3”という番号が与えられています。オスの背鰭の2本の棘が著しく長く伸びるのですが、この手のハゼでこれほど雌雄差がハッキリしている種類も珍しいのでは・・・。

ところで当コラムの5月号以降に度々お伝えしていた神奈川県立生命の星・地球博物館の【特別展】『魚類図鑑に生涯を捧げたDANDY 〜益田 一と日本の魚類学〜』に、海が荒れて暇になったお陰でようやく行って来ました。恐れ多くも博物館の今回の特別展担当学芸員で、私にとっては伊豆海洋公園在職時代の同僚でもある瀬能宏先生に、大変お忙しい中にもかかわらず非常に詳しく熱のこもった解説をして頂きました。下の写真は瀬能先生(左)の説明を熱心に聴き入る妻・夕起子(右)です。

瀬能先生(左)の説明を熱心に聴き入る妻・夕起子(右)

在職時代に多少なりとも関わらせて頂いたり話に聞いたりして、認識していたつもりの故人の輝かしい業績の凄さを、改めて深く理解する大変良い機会となりました。特に大著「日本産魚類大図鑑」は発行後30年近く経過した現在でも他の追随を許さない名作中の名作です。ちなみにこの図鑑の中の今回テーマにしたハゼの仲間の解説を、当時皇太子だった現在の天皇陛下が執筆されています。陛下はこの特別展にも10月8日にご訪問されたそうです。

特別展は残すところあと4日です。最終日の11月4日には益田氏の一番弟子である水中写真家・中村宏治さんの講演も予定されています。まだお越しになっていない方は是非足をお運び下さい。

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" 砂地のハゼ特集 " へのコメント

  1. masaomi yokota: 2013年11月11日 7:30 PM
    avatar

    すいません、自分ツッコミです。一番最後の『ホタテツノハゼ属の1種③』についてですが、先日発行された「日本産魚類検索・第3版」でホタテツノハゼ属(Flabelligobius)がオニハゼ属(Tomiyamichthys)に統一されたそうです(この本まだ手に入れていないもんで・・・)。

    ということで『オニハゼ属の1種』に訂正させて頂きます。

    この本をお持ちのどなたか、詳細をコメントして頂けると大変嬉しいです。

    ハゼ界のカオスを象徴する話題ってことで・・・。

  2. 伊豆大島ダイビングセンター有馬2013年11月11日 9:42 PM
    avatar

    横田さん。
    書こうと思ったら既に自分ツッコミが・・・
    元々、頬の筋肉の付き方から、ホタテツノハゼ属とオニハゼ属に分かれていた物が統一されたようです。
    現在では体の縦列鱗数の数や形状・両眼間隔等でオニハゼ属に分かれています。

    「日本のハゼ」でお馴染みのの呼び名になったホタテsp.って奴もオニハゼsp.って事になりますね。
    折角定着していたのにちょっと寂しい気がします。

  3. yokota2013年11月11日 10:47 PM
    avatar

    有馬さん、大変詳しく解説して頂きありがとうございます。ハゼの仲間って「頬の筋肉の付き方」とか「鱗の数や形状」「両眼間隔」とか見た目ではあまり識別しにくいポイントでグループ分けされてるんですね~。やはり他の分類群とはひと味もふた味も違いますね。多くの人が虜になるのが判ります。

横田
横田 雅臣

1961年11月生まれ
神奈川県横浜市出身

ダイビングとの出会いは学生時代。在学中に伊豆海洋公園ダイビングセンターにアルバイトに来たのがきっかけで卒業後同センターに就職、インストラクター・ガイドとして10年の勤務の後、1994年に独立しGO TO THE SEAを開業、現在に至る。

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