期間限定 スペシャルトークThe Diving Junky Magazine

第78回

不可思議な出逢い・・・終章

ザトウクジラ

先月の不可思議な出逢いから再会、更に数日後の出会いで、物語は連日続いていた(詳細は、ガイド会の海ブログ・・・先月の「不可思議な出逢い・・・。」をご覧下さい)。

数日後のある日、僕は、母子クジラに慣れてもらう為に、母クジラが水中で止まって休んでいる所に子クジラが授乳したり遊んだりしている時間に僕だけがスノーケリングで入って刺激しない程度の距離で観察を続けた。

ブロー(息継ぎ、子クジラは2、3分おきに繰り返す)をする為に子クジラが浮上してきても追わず、じっと観察した。

そのうち、子クジラの方が寄って来るようになったけど、母クジラを刺激しては元も子もないので動かずに子クジラを見ていた。

そして、僕が水深10mの母子クジラの真上の水面で待っていても、子クジラはフィンに当たるぐらいの距離で浮上してくるようになり、母クジラもそれを大して気に留めない様になっていた。

ザトウクジラ

それから、少人数のゲストと共に観察をしている最中にも、ゆっくりと浮上しながら、僕のフィンにぶつかって来たり、凄くゆっくりと真っ直ぐに浮上して来ると思ったら、構えているカメラに当たって来たりと、日に日に僕らと子クジラの距離は縮まっていった。

ザトウクジラ

母クジラもブローの為に浮上する。そして、数度のブローを繰り返し、また潜り、水深5m〜15mの辺りで留まり休憩する。

この時に、クジラにとってはゆっくり泳いでいるが、僕らにしてみれば体格の差、泳ぎの差は歴然で、刺激にならないように離されない様に、ともかく泳いだ。

また、休憩を止め動き出した時にも、再度慣れてもらう為にも、ともかく一緒に泳いだ。

(タニタの体重計の体脂肪率を7.0%とか8%前後を推移している僕が、終いには5.1%まで落ちたのだから、その運動量は半端なものではなかったという事でしょう。)

ザトウクジラ

そして、日が経つにつれ、母クジラとの距離も縮んできた。

始めの頃は、子クジラを刺激するゲストが居たら、すぐに子クジラの元に行き、連れ去ってしまっていたのだが、好奇心旺盛で遊びに来る子クジラと一緒に僕らに近づいて来る事も多くなった。

数日後は、エスコート(雄クジラ、子クジラの父親ではない)が付くようになったが、大人しいエスコートの時には、一緒に水中で休憩していた。

ザトウクジラ

時折、母クジラと一緒に、ブリーチングなどのパフォーマンスの練習をしたりもした・・・。

ザトウクジラ

ずっと、久米島の御願埼灯台付近にいた母子クジラも、3月中旬以降には、渡名喜島方面に少しずつ移動をしていった。

そろそろ、旅立ちの日が近づいてきたらしい・・・・・。

ザトウクジラ

厳しい旅での母子クジラの平穏を祈りつつ、そして、大人になって独立した子クジラとの再会を夢見ながら、夕方、帰港の途に就き今シーズンのホエールウォッチング船は終了した。

" 第78回 " へのコメント

  1. 高橋としえ: 2013年6月4日 6:36 PM

    超超カッコイイ!!!(古いなぁ)
    何が・・・出会い?素敵なストーリー?すべて!^^
    羨まし過ぎ!!

  2. 川本: 2013年7月31日 6:34 PM

    トシエさん、ありがとう!!

川本 剛志
川本 剛志

1965年4月3日生まれ
福岡県出身
ガイド会所属

久米島でダイビングサービスを営むかたわら、ライフワークである、冬に訪れるザトウクジラや各種の魚類、サンゴ、ウミウシ、甲殻類の生態を写真に収め続けている。多数の図鑑雑誌に写真を提供し、エビ・カニガイドブック2-沖縄・久米島の海から-等の著作を持つ。

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BY 編集部

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