第二話 アプローチ(もちろん視界不良エリア)後段

さて、まとめます。今までの記述は大まかに言えば、環境に対するアプローチであって、読んでいる人の中には、生物に対するアプローチの虎の巻的な内容を期待していて肩すかしをクラった方もいらっしゃるかも知れませんので、ここは生態の迷路というタイトル(え?もぉ忘れていた!?)らしく、生物に対するチョットしたテクを紐解いて見ようと思います。

濁った水中で、思わぬ魚や生物に出会い頭気味に遭遇して、お互いに驚いた経験ってありませんか?

それって不思議に思いませんか?

もちろん、魚にも目の良い(人間で言うところの視力とは違いますが)魚もいますが、自分が見えているように、つまり視界に入ってから、それを認識して驚いている訳ではありません。ある距離までは、お互いがお互いの存在を認識していないのですが、人間は視界に入って始めて気がつき、生物はどちらかと言うと目からの情報よりも、人間が驚いた時に発する電気信号(ある種のパルス)を関知して、驚いているのです。

半テンポ遅れて水中生物(のクセに)が反応する事に対して、長い間疑問に思っていたのですが、この考察によって最近はチョット納得しています。そうすると、もちろん目からの情報も使っているのでしょうが、このパルスコントロールによって、生物への接近の限界が一段と縮められるように思います。

これも、経験がある方ならば、モニターの向こうで頷いていると思いますが、何故か、カメラを持っていない時の方が生物に寄れる!って事ありませんか?

これは薄々感じていると思いますが、ハウジングやカメラを持っている事で、接近のワーキングディスタンスは、その機材の分だけ離れてしまいます。これは、物理的な問題です。次に、いわゆる「背中から湯気が出ている系」の場合は、メンタルの問題として「もぉ少し冷静になった方が良い」です。ここまでではなくても気負いは、生物の危険センサーに触れてしまうので、一定以上の接近を許してくれません。

んじゃ〜どぉすんだよ!?って思いますよねぇ。当然のことながら、カメラを持っていないようなリラックスした気持ちで、近寄り...仕留める!このイメージトレーニングは大事です。僕の知っている中では、ゆうすけ親分や峯水くんがこのテクを天然でやっているように思います。「う〜ん、おまえなんかに興味ないよぉ〜」と近付き、「なんちゃって〜!」とシャッターを切ります。(笑)

この天然パターンを思い込みでやっているのが阿部秀樹さんかなぁ?(爆)この3人は、ある意味「達人」の域で、この奥義を駆使した撮影をしているように思います。これが出来れば、生物へのアプローチは思いのままです。練習は、家で独りでやって下さいね。

画像は、自分なりの解釈で奥義を駆使して、ワードズームを使って接近して撮影したカンパチをクリーニングするムレハタタテダイです。肝心のムレハタが隠れてしまったところに、僕の脇の甘さがにじみ出てます。

カンパチをクリーニングするムレハタタテダイ
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鉄
鉄 多加志

1965年生まれ
清水出身
ガイド会所属

生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。

通称「視界不良の魔術師」

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