ガイドのつぶやき - 伊豆半島・伊豆海洋公園からThe Diving Junky Magazine

話題性のある魚達

皆さんこんにちは、季節はだんだん夏っぽくなってきましたね〜。海の方も先月の頭ぐらいから水温・透明度ともに上昇し、いい状態をキープしています。魚達も増えてきて楽しい海になっていますので、是非伊豆の海にお出掛け下さい。これから海は更に面白くなりますし、只今夏時間で最終エキジットがなんと16:30! 3ダイブも楽なスケジュールでこなせます。

さて今月は最近出逢ったものの中で特に話題性が有ってしかもレアなものを4種類選びました。いずれもレア物ながら割と行き易い場所・水深で今のところ安定して見られています。このチャンス逃す手はないですよ〜。

ではまず最初はこの魚から・・・。

ホタテエソ

ホタテエソ:
やや深い砂場に生息する魚で通常は水深35〜40m付近と気軽にゲストを御案内出来る深さでは無く、私自身もおそらく10年以上御無沙汰していた魚です。実はこの魚かなりの「大物」で、今を去ること40年近く前に伊豆海洋公園で初めて発見され、1975年に発刊された「南日本の沿岸魚」という図鑑の中で新科・新属の新種として報告された種類なのです。

つまりこの魚が発見されたことにより魚類分類群の中に新しく「ホタテエソ科」が創設されたという訳です。そんな我々人間達の「超大物扱い」などどこ吹く風というような、飄々としていながらも凛とした佇まいがまた何とも素敵ですね。

シマキツネベラ

シマキツネベラ:
この魚に出逢ったのも実に久しぶりでした。黄色のラインが水中では黄金色に輝いて見えるとても美しい魚です。この種類も上のホタテエソと同じく上述の図鑑の中で新種として報告され、学名に伊豆海洋公園時代の私の恩師である故・益田一氏の名前が使われて Bodianus masudai と名付けられました。

このグループ(ベラ科・タキベラ属)では他にタヌキベラが新種として、フタホシキツネベラが日本初記録種として同時に報告されましたが、3種類の中では稀少性とスター性という点で群を抜いています。

テリエビス

テリエビス:
イットウダイ科の魚はこの種類を含めイットウダイ・ヤセエビス・ナミマツカサの計4種類が伊豆海洋公園で見られますが、いずれも暗がりを好み日中はあまり姿を見せません。中でもこのテリエビスは見かける機会が極端に少ないレア物です。他の3種類の中で特にイットウダイと姿・形がよく似ていて見分けるのが非常に困難です。

紛らわしいといえばこの魚の学名の種小名には ittodai が充てられていて、イットウダイの方は別の名前になっています。もう一つ名前ついでにお話しすると英名を調べたところ Samurai squirrelfish というそうです。日本代表として頑張ってほしいですね・・って何を頑張るんでしょう?

コブダイの幼魚

コブダイの幼魚:
ベラ科の中では特に大型になる種類で老成魚は佐渡のベンケイをはじめとして人気・知名度ともに申し分ありません。伊豆海洋公園でもベンケイほどではありませんが、全長1m近くある大きな個体が出没しダイバーを楽しませています。これはその極小サイズの幼魚です。

コブダイのこのサイズの斑紋パターンは以前はほとんど知られておらず、私が伊豆海洋公園に勤めていた1990年にこれが見つかった時には、益田先生をはじめスタッフ全員「何の幼魚だろう?」と首を捻ったものでした。その時にたまたま伊豆を訪れていたオーストラリアのルディー・クーター氏が「これはコブダイの幼魚です」と(もちろん英語でですよ)見事言い当てたのでした。その後当時伊豆海洋公園から発行されていたI.O.P.DIVING NEWSという雑誌の中で新知見として報告されました。

今回のコラムはいつになく真面目なお話になってしまいました。次回は笑いをとれるよう「ネタ」考えときま〜す。

横田
横田 雅臣

1961年11月生まれ
神奈川県横浜市出身

ダイビングとの出会いは学生時代。在学中に伊豆海洋公園ダイビングセンターにアルバイトに来たのがきっかけで卒業後同センターに就職、インストラクター・ガイドとして10年の勤務の後、1994年に独立しGO TO THE SEAを開業、現在に至る。

伊豆半島・伊豆海洋公園
ダイビングサービス GO TO THE SEA

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