ガイドのつぶやき - 静岡・三保からThe Diving Junky Magazine

第三話 調査方法(中編)

さて、本題の個体数と分布の目視観察および、夜間は加えて行うサンプリング作業に関する内容を記述してみます。

海岸の汀線に平行して、決められた基準線から沖合に向かって、10m間隔に3本のライン(巻き尺)をセットします。初めに3本セットしても良いですし、巻き尺の個数が足りなければ、1回ごとに回収して行っても構いません。陸上作業員の支援体制の問題(人数や慣れ)もありますので、ケースバイケースです。

数年前には、卒研生が2人とも女子だったり、全くダイビングが出来ない学生がこの研究を選択したりと、教授と僕の作業(主に僕のパートですが)が目紛しいほど多く、かなり効率良く作業を進めないと膨大な時間が掛かってしまいます。

想像してみて下さい。80mラインの左右を1mの方形枠を置いて、その中に入っているヒトデ3種の数を記録してゆくのです。1本のラインで160回のカウント及び状況に応じて撮影...それを3本。1カウントを30秒で行って1ライン当たり80分ほど掛かります。セット・回収、その他余剰時間を考えると、1本で約90〜100分、休憩をしないで行っても3本で4時間半〜5時間ほど掛かる計算になります。

勘の良い人は、既にこの時点でいくつかの疑問が浮かんでいると思います。

つまり、この調査計画と方法は、これだけの時間を要する事を前提(想像)としていなかった、と言う事です。数値化や可視化は研究において、必要不可欠な言わば基礎ですが、それを誰が行うのか?その作業の難易度は?一体どれほどの時間が掛かるのか?

そして、その時間経過は出現個体数に影響を及ぼさないか?と言う観点がどれかでも欠落していると、根底が覆ってしまいます。

後編に続く。

鉄
鉄 多加志

1965年生まれ
清水出身
ガイド会所属

生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。

通称「視界不良の魔術師」

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