第三話 調査方法(前編)

ライントランセクト法が今回の調査方法でした。

1m四方の方形枠(塩ビのパイプを正方形に組み合わせたもの)を基準線の左右に展開して、その中にいるトゲモミジガイ、モミジガイ、更には対象区としてイトマキヒトデの数もカウントしました。

実は、この1年前にも同じ調査を行いました。しかし、汀線際から等間隔、沖に向かって等距離のメジャーを張りましたが、この汀線というのが曖昧で、厳密に干満時間に対する補正を行っていなかったので、最終的にデータの整合性に問題が出てしまいました。

これを踏まえて、海岸に基点と基準線を設けて、潮汐に関係なく毎回同じ位置と距離で調査が行えるようにしました。ちなみに、このデータは、2006年と2007年に行った調査によって得られたもの元につくられております。

1日の調査で、80mの側線を3本、昼間と夜間に各1回行います。透明度は三保の内海ですから、良い時で3mほどです。水深はボトムで最大12mほどですが、調査行程を想像してみて下さい、基点から巻き尺を持って沖合いに向かってラインを張り、側線をセットします。次に、方形枠、カメラ、水中ノートを持って調査になります。同時並行で、記録し終わった調査地点から必要数だけトゲモミジガイをサンプリングしますが、ここまでは手が回らないので、教授か学生が行っています。

サンプリングに際しては、地元漁協さんの同意と県に対して「特別採捕許可」をいただいて行いました。各都道府県が定める漁業関係調整規則には、水産動植物を採捕するにあたり、採取に用いる道具や漁具、種類、数量、期間、採捕に従事する人を明確にし、それを申請して許可を得なければなりません。内容はこんな感じです。

特別採捕許可申請書

興味のある方は、各都道府県のホームページに必ず記載がありますので参照してみて下さい。

僕らガイドはフィールドを案内して、生物を紹介して生業としていますので、そのフィールドで生物を採取する事には気を遣います。

1つは漁業者に対しての配慮と、もう1つはコンプライアンスを怠った時の風評です。

「あいつは、普段は人に取るなとか、触るなって言っているのに自分は別なんだね?」なんて言われた日には...お店をたたまなければいけなくなりますし、スタッフもいたたまれないです。

なので、堅いとか融通が利かないとか言われても、ここは死守しなければならない、そのエリアでトップを自負するガイドの努めだと思っています。これは、学者や研究者の方々にも理解して欲しい事ですし、馴れ合いやナァナァの体質でいつまでも続けて良い事ではありません。どんな場合も正論が必ずしも正しい訳ではありませんが、いろいろな事を適正化してゆくためには、必要なことだと思っています。

中編に続く。

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鉄
鉄 多加志

1965年生まれ
清水出身
ガイド会所属

生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。

通称「視界不良の魔術師」

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