夢を乗せて

先日、龍馬に可愛いゲストたちが乗船した。
朝8時半、コロール小学校の生徒30名が予定通りの時間でテンダーボートから乗り移ってきた。皆わくわくした顔をしている。パラオは車と同じくらいボートを使う国。しかし意外にも子供たちはボートには乗った経験はあっても、こういった一般船舶には乗ったことは少ない。そんな子供たちに龍馬乗船の経験をさせたいからと、この船を最初にパラオに持ってきたとき、是非にと希望していた社会貢献活動の一つでもある。「パラオの子供たちのためのクルーズ」は船主をはじめ、クルー皆の願いでもあった。
子供たちの乗船後、船内にて乗船のブリーフィングがはじまる。皆まじめな顔をしてクルーからの説明を聞いていた。一生懸命聞いていている子供たちの眼差しは真剣そのもの。ちょっと緊張しているのかな?とも思った。
しかし、そんな心配もつかの間。マラカル港から出帆して、30分も経つころには子供たちは笑顔でデッキを走り回っていた。天気は快晴、風は微風、という最高のコンディションの中、本船はゆっくりとロックアイランドの中へと進んでいく。目的地はパラオの景勝地の一つであるナチュラルアーチ。聞くところによると、子供たちの中にはここに来たことのない子もいたそうで、ちょっとした遠足にもなったようだ。
引率の先生も楽しそうで、「是非来年も開催してほしい」と嬉しいリクエストも貰えた。コースが折り返すころになると子供たちはブリッジで、船長に船長席へ座らせてもらいながら舵輪を回して喜んでいた。何人かの子供たちはしきりに「僕は将来キャプテンになる!」と言ってブリッジのクルーを沸かせていた。
およそ4時間のショートクルーズから戻るころ、子供たちは満面の笑顔を見て今日の催しが成功したことを確信した。最後の下船のときに言ってくれた、子供たちの「アリガトウゴザイマシタ」はきっとクルーの心に残ることに違いない。
そして、パラオの子供たちにすこしだけ、新しい夢を与えられたことを僕らは誇らしく、そして嬉しく思うのでした。


秋野 大
1970年10月22日生まれ
伊豆大島出身
ガイド会所属
カメラ好きで写真を撮るのはもっと好き。でもその写真を整理するのは大キライ。「データ」が大好物でいろんなコトをすぐに分析したがる「分析フェチ」。ブダイ以外の魚はだいたいイケルが、とりわけ3cm以下の魚には激しい興奮を示し、外洋性一発系の魚に果てしないロマンを感じるらしい。日本酒より焼酎。肉より魚。果物は嫌い。苦手なのは甘い物。
ミクロネシア・パラオ
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