白化

こちら、タイのタオ島では2〜3ヶ月前から続いた高水温の影響で、サンゴたちが次々と白化し始めた。もともと水温が高い海なので、水温31度くらいまでは当たり前で、その環境に適応したサンゴたちが元気に群生していたのだが、今年は異常気象で水温33度が続き、最高では34度を記録するに至っては、流石のタオ島のサンゴたちも悲鳴をあげたのだった。

クサビライシの仲間、エダサンゴ系、ハマサンゴなどが次々と色を失っていき、そしてイソギンチャクの白化も始まった。白くなっていてもまだ生きていて、早めに褐虫藻が戻れば復活できるが、表面に海藻が生え始めたらアウト。日に日に白くなっていく珊瑚礁で潜りながら、早く水温が下がってくれないかと祈りながら、やきもきする日々を送っていた。

今後、水温が低くなり回復するにせよ、このまま死滅するにせよ、このサンゴの悲痛な叫び、白化したサンゴやイソギンチャクの幽玄な美しさ、今しか見られないシーンを写真という方法で記録しておこうと思った。

普段は褐色のセンジュイソギンチャクだが、白化してくると触手の先端だけに紫色が残り、とても美しいグラデーションとなる。いつもと違う色のイソギンチャクに住むハナビラクマノミのちびっ子が困っているような表情に見えるのは気のせいだろうか。

このミドリイシも白くなってきているけどまだポリプは生きていて、今ならまだ間に合うだろう。でも、もしこのまま死んでしまったら、ここに住んでいるベニサシコバンハゼのちびっ子はどうなるのだろう・・・。サンゴだけじゃなく、それに依存している生物たちにも影響が出るのは確実だ。

エダサンゴは割と早めに白化が始まったので、既に表面に海藻が生え始めているエリアもある。海藻を主食としている魚たちは大喜び!?スズメダイモドキが大量発生している。写真は白化したサンゴを背景にしたスズメダイモドキの幼魚。ちびっ子の頃は可愛いのだけれど大人になると不細工なんだよね・・・。不細工と言えば、アツクチスズメダイも餌の海藻が増えて喜んでいる。

さて、6月下旬現在、この5日くらい前から水温が下がってきて、今は30度で落ち着いている。30度と聞くと高く感じるかもしれないが、これはタオ島では普通の水温だ。ここ数日、サンゴに色が戻ってき始めているように感じる。この後、無事に褐虫藻が戻りサンゴたちが復活できるのだろうか?98年のエルニーニョの時はもっと酷い白化があったが、それでもすぐに復活したという実績もある。大自然の回復力を信じたい。来月の記事で吉報をお伝えできればよいのだが。

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大村
大村 健(おおむら・たけし)

1973年、京都生まれ
ガイド会所属

18歳で大学のクラブでダイビングを始め、その後、バックパックを背負って海を潜り歩く旅を経て、20歳の頃に秘境・タオ島に出会う。以後、徐々に発展してきた島とともにダイビングにのめり込んで今に至る。現在、タイの2つの海を舞台に、海のポテンシャルをフルに引き出すべく精力的に潜り倒す日々を送っている。

タイ・タオ島 カオラック
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