和平モード
日本のメディアでもさんざん流れていたので皆さんご存知の通り、こちらタイはバンコクでの赤シャツのデモ鎮圧騒ぎで大変な事になっていた。この原稿を書いている5月末は情勢は沈静化している。
津波の時もそうだったけど、この手の報道の常で、とにかく一番ひどいシーンばかりを繰り返し流すので、あたかもタイ全土がそのような状態になっていると勘違いしてしまう人も多い。日本の知人・友人が心配してくれるのだが、日本より広い(1.4倍)タイの、バンコクというひとつの街の、一部のエリアで、一部のタイ人が行っている騒ぎなので、僕たちがダイビングをしているタオ島なんてのは、日本に例えると東京の国会議事堂前でデモがある時に沖縄の離島にいるようなもので、直接的な影響は無く平穏そのもの。それどころか騒ぎのせいで観光客が減って普段より静かで穏やかなくらいなのだ。天気も良すぎるくらいで、バンコクでは市街戦、タオ島では紫外線に気をつけよう、なんて冗談を言っていたくらいで、皆さんの心配をよそに、毎日元気に潜り倒していたのだった。
さて、そんなタオ島だが、今年のゴールデンウィークはジンベエザメは単発で、期間中たった1日だけ2匹同時出現があったけど、残念ながら昨年のように長続きしなかった。しかし、天気や海況には例年以上に恵まれ、タオ島ならではの抜群の魚影の濃さや独特の水中景観は健在だ。
写真はアカオビハナダイ。

チュンポンピナクルというポイントは、ジンベエやアジやバラクーダの群れなど大物狙いで有名なポイントなのだが、マクロの見所も豊富で、水深30m弱のところにアカオビハナダイの大きなコロニーがある。ここ数年来、個体数がだんだん増えて来て、ちゃんと数えた事ないけど雌雄あわせて軽く三桁はいるだろう。ちょっと珍しく、とても美しいハナダイだが、なかなかチュンポンピナクルでマクロレンズを付けて潜る勇気のある人も少ないので、普段はスルーすることも多い。
雄の方が大きくて美しい模様(名前の由来の赤い横帯など)を持つが、通常はそれぞれのハーレムごとに分散しているので、単体でしか狙えないのだが、たまに数十匹の雄が一カ所に集まる事がありとても華やかになる。そんな時はワイドレンズでもいい感じに撮れるのだで、大物狙いの合間にちょっと紹介したりする。
単体で行動している時、特に求愛行動や威嚇・喧嘩している時には、体色がより濃くなり美しいのでマクロレンズで狙うのもお勧めだ。逆に、雄同士が集団で集まる時はいつもより体色が薄くなっているが、これは和平モードということなのだろう。
赤は赤でも和平モードで集まる魚のほうは大歓迎なんだけどね。

大村 健(おおむら・たけし)
1973年、京都生まれ
18歳で大学のクラブでダイビングを始め、その後、バックパックを背負って海を潜り歩く旅を経て、20歳の頃に秘境・タオ島に出会う。以後、徐々に発展してきた島とともにダイビングにのめり込んで今に至る。現在、タイの2つの海を舞台に、海のポテンシャルをフルに引き出すべく精力的に潜り倒す日々を送っている。
タイ・タオ島 カオラック
Big Blue Diving
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タオ島店
17/18 Moo 1, Koh Tao,
Suratthani 84280, Thailand
Phone : 66-77-456 179
Fax : 66-77-456 772
カオラック店
4/53 Moo 7, Khuk Khak Takua Pa,
Phang-Nga 82190, Thailand
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